中国の自転車シェアサービス大手の「摩拝単車」が日本市場に進出し、7月中旬に一部地域でサービスを始め、年内にも主要10都市程度に広げる。スマホで近くの自転車を探し、料金もスマホで決済する。当面は30分100円以下で試験提供する。同社は中国で1年強で500万台を普及させた。交通渋滞を緩和し、自動車排気ガスの削減と住民の健康を促進するため、シンガポールと英国は同社サービスの導入を決定している。日本は同社にとって3番目の海外市場となる。
摩拝単車は日本法人を設立しており、専用の携帯アプリでサービスを提供する。日本社会はこのGPSを搭載した、スマホで探せる、スキャンするだけで使用できる自転車に興味津々だ。日本メディアによると、中国の都市部ではライドシェアや民泊アプリなど、スマホを使ったシェアサービスが爆発的に広がり、人々の社会生活を変えるような事例が目立つ。活力の源泉は少額のお金のやり取りを可能にする、スマホを使った電子決済サービスの普及だ。中国ネット大手のアリババ集団が手掛ける「支付宝(アリペイ)」や、騰訊控股(テンセント)の「微信支付」といった電子決済サービスは、数億人が使う身近な「生活インフラ」として定着している。
シェアリングエコノミーが利便性を高めることは周知の事実だが、すべての場所に適しているかについては疑問視せざるを得ない。自転車シェアを例とすると、日本にも独自の公共自転車・原動機付自転車があるが、さまざまな原因によりスムーズな普及が妨げられている。まず、日本の都市部は公共交通機関が極めて便利であり、地下鉄、路線バス、ライトレール、電車、タクシーなどがあり、公共自転車の「生存空間」はほとんど残されていない。さらに地方の農村部では、若者が都会に出ており高齢者が多く、公共自転車のニーズがない。