毒ガス被害者に謝罪するため、藤本さんは2004年に訪中し、南京大虐殺紀念館を訪問し献花した。さらに当時の日本軍が毒ガスを使用した河南省の村を訪れた。当時この村には1000人以上がいたが、30数人しか生き残らなかった。「私は犠牲者の墓に献花し、1人の生存者にひざまずき謝罪した。中国の生存者はみな寛容で、平和を願っている。この生存者は、私も被害者だと言ってくれた。私は被害者になる前に、まず加害者だった。私が毒ガスを作っていなければ、加害者も被害者もいなかったはずだ。私は毒ガスを生産した加害者であり、一人の罪人でもある」
藤本さんは「言葉での謝罪ではまったく謝罪にならない。日本軍国主義は現在も日本の政治環境に存在しているからだ。私は日本政府に対して、中国人に謝罪し賠償するよう毎年、何度も要請している」と語った。藤本さんは2003年より、日本政府に中国への賠償を呼びかけている。
「閉ざされた記憶—ノーモア南京展」が7月15日、広島で開幕した。藤本さんも同日その現場を訪れ、すべての展示品と写真に真剣に目を向け、多くのメモを取った。藤本さんは、これこそが中国の「前の事を忘れないのは,後の事の師とするため」という言葉の示すことであり、「私たちが歴史を直視する絶好の機会だ」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年7月19日