日本の元外交官で作家の孫崎享氏は8月31日に東京都内で講演した際、1960~70年代に日本が急成長し経済大国になった理由に言及した。米国のカーター政権時に顧問を務めたブレジンスキー氏は、「当時の日本には多くの強みがあったため。しかし、現在はそれらの強みは逆転されたり、超えられたりしている。まず、教育がそうである」と分析したことがある。
以前、日本の教育レベルは世界的に優れていた、しかし現在、世界の大学ランキングを見ると、東京大学はシンガポール国立大学や中国の清華大学など多くのアジア諸国の大学に抜かれている。日本の大学はアジアトップではなくなったと言える。それだけでなく、北海道の某大学は教員を数百人削減し、一部の大学は経営難を理由に低賃金の教員を雇うようになっている。
孫崎享氏は、「これが自民党政権(の政治と政策)の問題である」と指摘する。
孫崎享氏は講演で、日本が在日米軍の経費を毎年約7612億ドル負担していることにも言及した。これをドイツが負担する在独米軍の経費と同じ規模まで減らすことができれば、残りの資金で日本の大学の教育を正常化させ、憲法を改正する必要はなくなる。「この(在日米軍の経費負担)予算を採択させるため、(米国は)東南アジア(の地域安全情勢)を不安定にさせる必要がある」と孫崎享氏は話した。
2015年、安倍政権は「安全保障技術研究推進制度」を制定し、日本の大学及び研究機関による軍民両用技術の研究への参入を奨励した。また、巨額の研究助成金をエサに、防衛装備に適用可能な技術の研究プロジェクトを募集している。2015年、防衛省は同制度に3億円を拠出し、2016年には倍の6億円、2017年には18倍の110億円を拠出した。その一方で、政府は科学研究経費を削減し続けている。
人を動かすには、まず困窮状態にさせなければいけない。これは安倍政権が日本の大学と研究機関を軍事に取り組ませる内在的なロジックなのかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年9月8日