『二十二』の北米上映を担当した華獅電影発行公司のロバート・ランドバークCOOは記者に対し、「同作は非常に重要なテーマを扱っており、世界の人たちが見るべきである。世界には若者など、その時期の歴史や彼らが経験したことを知らない人が多くいる。『二十二』は数少ない生存者を記録し、彼女たちの経験を忘れさせないようにしている。映画のテーマの重要性と高い質を考慮すると、同作は弊社が発行する初のドキュメンタリーであり、最も重要な作品の1つとも言える」と語った。
またロバート・ランドバーク氏によると、華獅電影発行公司はこれまで、中国大陸での人気度や米国の観客の注目度で上映作品を選び、ハリウッド映画との競争力をつけていた。米国は世界最大の映画生産・消費市場と言われており、ハリウッド映画の発行体制は巨大な影響力を持っている。しかし全体的に言って、中国語映画を北米で上映するのは簡単ではなく、独特の方法で視野を広げる必要がある。『二十二』を宣伝するため、同社は導入決定時から宣伝を開始し、世界に通用する中英文の予告編を制作した。また、華人が多い地域にポスターを貼り、シアター・チェーンで上映するほか、iTunes、FandangoNow、Netflixなどのサイトでも公開した。
『二十二』を観た70代白人女性ルイナさんは、時間があるとよくこの映画館に来るという。映画館で『二十二』のポスターを目にした時、彼女は落ち着いた水色と緑のポスターは第二次世界大戦を扱う映画のポスターとスタイルが異なると感じ、見てみようと思った。彼女は、これまで「慰安婦」についてよく知らず、「慰安婦」という言葉は英語翻訳されると誤解を招くこともあるが、『二十二』を観てから「慰安婦」という言葉は日本人が作ったものであることを知ったと率直に話した。ルイナさんは日本軍国主義のこのような暴行に対し「恐ろしい」という言葉を連発し、「米国も第二次世界大戦に参加した。私たちの世代は戦争を覚えている。慰安婦は戦争の醜い部分であり、忘れてはならない」と話した。また、家族や友人にこの映画を紹介し、より多くの人に「このような被害者がおり、謝罪を待っている人、待てなかった人がいる」ことを知ってもらいたいと語った。
映画の表現から、魂の渇望と視覚の独特さが伝わる。『二十二』は歴史に対する反省だけでなく、故郷に対する思いも表している。映画館に入ると、彼女たちと目を合わせ、戦争の痛みを感じる。映画館を出ると、歴史を胸に刻み、平和を大切にしようという思いになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月11日