「731部隊の真実」、NHKはなぜ放送できたのか(一)

「731部隊の真実」、NHKはなぜ放送できたのか(一)。

タグ:731部隊の真実 NHK

発信時間:2017-09-14 16:11:54 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

731部隊の元隊員はドキュメンタリー番組で、当時の日本軍の罪について語った。


 

 日本のNHKは8月13日、「731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~」を放送した。実際の録音と経験者のインタビューにより731部隊の中心メンバーが中国で秘密裏に細菌兵器を開発し、戦争に用いていた歴史を復元した。同番組は日中両国で大反響を呼んだ。NHKは中国を題材とするドキュメンタリーを撮影する伝統を持ち、現在まで6000作品以上が放送されているという。しかし今回の特殊な「良心の作」は、多くの人の予想外であり、さらにはサプライズであった。当然ながら日本の一部の人は、NHKを「事実の捏造」「反日国の虚言の報道」と批判している。NHKはなぜ同番組を放送できたのだろうか。「環球時報」が伝えた。

 

 日中友好8.15の会の冲松信夫代表幹事はインタビューで、「このドキュメンタリーを放送するとは、NHKは非常に勇敢だ。731部隊の真実は日本ではタブー視されているが、日本人であれば知らなければならない歴史だ」と述べた。番組を見た日本人は環球時報の記者に対して、困惑気味に「称賛されるべきことではない。これこそがNHKだ」と話した。

 

 同番組は日本社会で大反響を呼んだ。称賛の声のほか、強い批判も見られた。日本の右翼は「NHKの事実捏造」とし、証言した元隊員は洗脳されており、迫害を免れるための「偽証」だったとしている。ある中国在住の日本人は微信(WeChat)を使い、環球時報の記者に「NHKは右翼メディアなどではなく、徹底した反日メディアだ。いかなる検証もせず、反日国の虚言を報じる」というメッセージを送ってきた。

 

 アジア通信社の徐静波氏は8月13日に、同番組を視聴した。徐氏は環球時報の記者に、当時の印象について「このドキュメンタリーが語る事実はショッキングで、私が日本で見たこともない詳細な資料を取り上げていた。同番組は多くの日本人から注目された。彼らのうち多くが、前の世代が中国でこれほどの罪を犯したことを知らなかった」と話した。

 

 ドキュメンタリー制作者、中華広播影視交流協会日本プロジェクト主管の劉慶雲氏は、NHKのドキュメンタリー撮影班と20年以上も協力している。劉氏は同番組の撮影に直接加わらなかったが、新任の上田良一会長の努力により放送が実現されたと話した。劉氏は「上田氏は非常に考えの開けた人物で、就任後にNHKの雰囲気が大きく変わった」と話した。NHK関係者は日本メディアに対して、「上田氏の会長就任後、内部の報道の雰囲気が変わり、中立性が強まった」と述べた。

 

 NHKはなぜこの番組を制作したのだろうか。上田氏はどのような力を発揮したのだろうか。環球時報の記者がNHKに連絡したところ、「全メディアからの取材を受け付けない」ことを理由に取材を拒否された。

 

 徐氏は「番組放送翌日、NHKの主要制作班と連絡し、同番組が中国で大反響を呼んだと伝えた。またNHK側とも意思疎通した」と述べ、NHKの主要メンバーから次の情報を入手したと説明した。(1)同番組は昨年の時点で制作を終えていたが、当時会長だった安倍政権と親しい籾井勝人氏が、安倍政権にとって不利と思われる歴史番組の放送を阻止していた。(2)安倍首相の改憲により日本が戦争の状態に陥るため、日本国民に戦争の残酷さを伝える必要があった。自身と他者を傷つけないためにも、日本は二度と参戦すべきではないと伝えたかった。また安倍政権の軍備強化や改憲などの行為に対する、無言の抗議をした。(3)安倍政権は発足後、各種手段により政権に反対するメディアを攻撃した。数年の我慢をへて、NHKが先にこの政治からの圧力を克服した。この番組を放送することで、民主を求める態度を示した。

 

 劉氏によると、同番組が放送されたことには、新事実の発見というもう一つの重要な要素がある。ロシアに保存されていた20時間の録音により、大きな進展がなければ、このテーマで番組を制作することはできなかったかもしれない。劉氏によると、NHK内部では中国をテーマとする番組の撮影が数年に渡り滞っているが、今後は推進される見通しだ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月14日

 

 

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