日本の民進党が今月上旬に開いた臨時党大会において、前原誠司氏が党代表に選出された。昨日始まった党内の人事、秋季臨時国会後の選挙に向け「挙党一致」態勢の構築が、最近の大きな取り組みとなっている。これは日本最大の左翼政党が、選挙前の準備作業に向け、大きな一歩を踏み出したことを意味する。
しかし代表選から半月もたたないうちに、党内で幹事長に指定されていた山尾志桜里前政務調査会長がスキャンダルにより離党する事態になり、秋季臨時国会後の選挙に向け積極的に準備を整える民進党の痛手となった。しかしこれは民進党指導部の求心力・支配力の低下の、氷山の一角に過ぎない。
現状を見ると、前原代表は具体的かつ実行可能な、力強い対策を打ち出していない。これは民進党内で各派閥が乱立し、内部の団結力が瓦解している根本的な原因だ。民進党はバランスを取りつつ党内の派閥を力強く率いる指導者と、現在の日本社会・国民の政治への期待に答えうる施政方針を必要としている。しかしこれは野党に欠けているものだ。
その一方で、右翼の自民党は数十年に渡り、「平和憲法」の改正を目指す姿勢を崩していない。これは施政面で党是を貫くという、心理的な効果を生んでいる。一般人にとって、自民党などの右翼勢力の施政目標は非常に分かりやすく、かつ「不撓不屈」の使命という印象を受ける。これは東アジア及び世界の平和と安定にとって朗報ではないのだが。