メキシコでは9月、マグニチュード7以上の強い地震が2度にわたって発生し、多くの死傷者と財産の大きな損失を招いた。日本は、メキシコと同じく環太平洋地震帯に位置する地震多発国だ。2011年の東日本大地震とこれに伴う福島の放射能漏れ事故はまだ人びとの恐怖を誘っている。だが多くの場合、日本の地震による死傷者は世界的には低いレベルにある。東京大学地震研究所特任研究員の郭一村氏によると、これは日本が地震の予知と早期警戒を重視していることと切り離せない。
郭氏は現在、日本で地震研究に従事している。20日の新華社記者の取材に対し、郭氏は、日本では建築物の耐震性能に対する要求が高く、耐震基準に合致した建築物は地震時に倒壊しにくく、倒壊したとしても人員の死傷被害は比較的軽いと指摘した。昨年4月の熊本地震では多くの建築物が倒壊したが、これは熊本県で長期にわたって大地震が発生しておらず、耐震基準に到達しない多くの古い建築物が深刻な被害を受けたためだ。日本の地震強度基準で最高の震度7を記録した熊本県益城町では、新たな建築物はまったく損壊せず、校舎も損壊しなかった。
郭氏によると、日本は地震の早期警戒でも進んでおり、整った警戒態勢が敷かれている。全国各地に数多く設置された地震観測機器はネットワークを形成しており、いったん地震が発生すると、地震波の伝播の特徴を利用して警戒情報がすばやく発信される。人びとは携帯電話などの端末で警戒情報を受け取り、地震襲来に反応するための数秒から数十秒の時間を稼ぐことができる。これは死傷被害の軽減にとって非常に重要となる。日本は地震後も、マグニチュードや震源の位置、震度などの正確な情報をすばやく発表し、人びとの迅速な反応を助けることができる。