これは当然ながら中日経済・貿易交流に技術差が存在し、相互補完が成り立っているためだが、中国は産業チェーン川上の技術を強化するまで、まだ長い道を歩む必要があるということになる。それでは近い将来、中国国民経済全産業チェーンの供給側構造改革が進み、コア技術の水準が向上し、一部のハイテク分野で欧米や日本と肩を並べ追い越すようになれば、中日間の産業の相互補完が瓦解し、中日間の「経熱」が失われることになる。
日本は目下、アジア太平洋11カ国を含む簡略版TPPを発効させ、南中国海周辺に影響を及ぼそうと躍起になっている。中国の「一帯一路」イニシアチブの「海上シルクロード」には、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、シンガポールの4カ国も含まれている。そのため中日間の「経済相互信頼」を地政学的駆け引きの中に置いて観察すると、それがどの程度の状態であるかが伺える。
言い換えるならば、中日関係の現在の「政冷経熱」の全体的な状態に変化は生じていないということだ。河野太郎外相は一帯一路に楽観的な見方を示したが、これは安倍首相が改憲の「ラストスパート」に入ったとほのめかしたことを受けている。そのため河野外相の発言は、短期的な中日経済・貿易関係にとって、ないよりはましといった程度だ。
経済回復という状況下、中日は経済・貿易協力を強化し、日本経済団体は対中経済交流を掘り下げ多くの成果を手にすることに期待している。しかし安倍首相を中心とする右翼の改憲勢力が、東アジアの安全と安定の大局にどの程度根ざし、東アジアさらにはアジア太平洋経済の共同繁栄を促進できるかに関しては、依然として未知数だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月23日