日本企業が中国本土で人民元建て債券(パンダ債)を発行できるようになる。中日両国の金融監督当局が、認可に必要な情報交換の枠組みで近く合意する。すでに三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行が発行を中国当局に申請中だ。日本企業の人民元の調達手段が広がり、中国事業の拡大に追い風となる。中国は海外企業と機関投資家を国内債券市場に引き寄せ、人民元の国際化に弾みをつけようとしている。日本経済新聞(電子版)が21日に伝えた。
日本企業の現地法人が元建て債券を発行したことはあるが、日本に本社を置く金融機関や事業会社が発行するパンダ債は例がなかった。
パンダ債には中国人民銀行(中央銀行)の認可が必要だ。それには中国政府との間で会計監査法人の監督や検査に関する情報交換の枠組みが必要となる。監査法人を監督する日本の金融庁と中国の財政省は22日、情報交換の枠組みで合意する。
三菱東京UFJとみずほは認可を得られれば、早期発行する考えだ。中国は金融市場を外資に開放する方針を決めており、両行は事業拡大の好機とみる。続いて銀行以外の企業もパンダ債を発行する見通し。
債券は融資より長期の場合が多く、回収に時間のかかる設備投資にあてやすい。一般に現法より本社の方が現地法人よりも格付けが高く、日本企業は調達金利を下げられる。