2018年になると、中国と日本の関係回復への期待がますます高まり、両国首脳の相互訪問の条件も徐々に整い、両国企業の協力もより多くのチャンスを迎えている。(文:陳言:日本企業<中国>研究院執行院長)
▽インド太平洋戦略と「一帯一路」を連携させる
これまでずっと「一帯一路(the Belt and Road)」構想には参加しない、協力しないと強調してきた安倍晋三内閣だが、17年には微妙な変化がいろいろみられるようになった。
まず安倍首相は昨年6月に開催された日本経済新聞社主催の国際交流会議(アジアの未来)において、これまでと打って変わって、条件が整えば「一帯一路」構想をめぐり中国と「協力していきたいと考える」との姿勢を示した。
外務省高官は東京で取材に対し、「私たちも、自由で開かれたインド太平洋戦略と中国の『一帯一路』構想をどのように連携させるかを考えている。少なくとも首相官邸には、インド太平洋戦略は中国と対立するためのものではないと公言する人がいる」と述べた。
日本銀行(中央銀行)の中日関係研究の調査研究員は、「日本は日本が主導するアジア開発銀行(ADB)とアジアインフラ投資銀行(AIIB)との協力、日本と中国のエネルギーや環境保護での協力、『一帯一路』構想をめぐる協力を検討すべきだ。私たちは『一帯一路』とは中国が世界に人類運命共同体という概念を示したものであることに注目し始めている」と述べた。
こうした認識があれば、中日共同で人類運命共同体を構築することにそれほど大きな障害はないといえる。