モルディブ内閣が昨年11月29日、中国と自由貿易協定(FTA)を締結すると、この人口がわずか40数万人の観光地は「インド太平洋」という外交の駆け引きに巻き込まれた。インドはモルディブが中国に友好的な姿勢を示そうとしていることに警戒しており、日本は両国関係の促進に力を入れている。環球時報の記者が7日、日本の外務省の資料を調べたところ、日本とモルディブの交流が目に見えて密になっていることが分かった。河野外相の訪問に先駆け、アーシム外相は昨年11月に日本を訪れたばかりだ。
河野外相はモルディブより先にパキスタンを訪問した。河野外相は4日、パキスタン政府と軍の主要主導者と会談した際に、主にテロ対策について協議した。河野外相は、中国の「鉄の友人」であるパキスタンを警戒している。しかし朝日新聞の記事によると、河野外相はパキスタンの民主化を支持する構想を示した。
河野外相はスリランカで5日、中国に過度に歩み寄るべきではないという考えをほのめかした。共同通信によると、河野外相はマーラパネ外相と会談した際に、スリランカが重要な港湾の権益を中国に貸し出すことを念頭に「港湾は透明度・開放性・経済性を保つ必要がある」と述べた。同行した消息筋によると、この観点は「相手側の理解」を得たという。朝日新聞によると、河野外相はさらに同国コロンボ港を訪問した。同港は1980年代に日本の援助を受けた。報道によると、河野外相は今回の訪問を機に、スリランカによる同港の建設を再度支援し、かつ日本のプロジェクトにより推進したいと表明した。
中国社会科学院日本研究所の学者である蘆昊氏は7日、環球時報の記者に対して「日本のインド洋地域における外交活動は、経済援助や海洋安全などの議題を借り、いわゆる勢力のバランス維持を理由に中国をけん制する意図を示している」と指摘した。これは日本のインド太平洋戦略が依然として対中競争を基本的な要素としていることを反映しており、警戒と闘争の心理が浮き彫りになっている。日本のこのような小賢しい考えが、地域発展に資することはない。共同通信は7日、河野外相の訪問は中国対抗の意識をほのめかしていると伝えた。日本政府筋は、「この局面を打開する行動に出なければ、中国に大きな遅れをとることになる」という認識が裏側にあると話した。しかし各国に安全分野などの協力の強化を提案することで、日本の最近の融和路線を評価している中国を刺激することになる。日本は厳しいジレンマに陥る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月8日