「2017年の中国の大学志願者数は940万人。合格率が約75%なので少なくとも235万人が進学できないということになる」と中国教育オンラインの柴竜記者は語る。
中国では、2008年に大学志願者数がピークの1050万人(合格率は57%)に達し、その後は減り続け、大学合格率は上昇した。それでも毎年数百万人が浪人または大学進学を断念せざるを得ない状況が続く。
この数百万人の思いにどう応えるか。私立大学で4割の定員割れを起こす日本が受け皿となる可能性も大きい。実際、中国から海外へ留学する人の数は年々増えつづけ、2013年の41万3900人から14年(45万9800人)、15年(52万3700人)と経て16年には54万4500人まで増加した。国内で大学に進学できない人の数を見ると、留学組は今後も増え続けるだろう。
ただ、日本の大学に中国人が殺到することは考えにくい。中学高校で英語教育を受けた彼らは、米国や欧州の大学へ行くことを選ぶからだ。欧米では留学生に対し、様々な奨学金生制度が用意されており、関連情報も多い。また留学をサポートするビジネスも充実している。留学生受け入れの面で日本が欧米に追いつくにはかなりの努力が必要だ。
中国の、ある地方政府の教育担当者は「専門技術やマンガ・アニメなどの教育でもっと日本の力を借りたい」と語る。日本の専修学校の専攻科目は技能や介護士、美容など多分野にわたり、長い歴史を持ち、近代日本の工業や社会、ファッションを支えてきた。ただ、日本の大学定員割れと同様、少子高齢化のなかで学生集めに苦労するケースも多い。
中国の学生を日本に送り、技能を習得させることは難しいが、日本の専修学校が中国側と協力し、中国で教育を行うことはできる。技能教育であれば、哲学や物理のように言葉を十分習得しておく必要はない。中国では、若者の技能向上、雇用促進などの目的で、多くの地方政府が職業教育に政策上の優遇措置をとる。日本の専修学校が中国と協力を行う場合、資金などの問題は中国側が率先して解決するだろう。
また、日本のマンガ・アニメに魅力を感じる中国の学生は多く、それらを学びたい人も少なくない。関連する音楽や動画制作などに興味を持つ人もいる。アニメーションに関しては、中日間で企業間の協力はあっても教育面での協力はほとんど前例がない。 専門技術やアニメでの中日間の教育交流は大きな可能性を秘める。(陳言)
「新華網日本語版」より 2018年1月19日