日本の京都大学iPS細胞研究所はこのほど記者会見を開き、同研究所の研究員の山水康平氏が昨年2月に発表した論文の中にデータねつ造・改ざん行為があることを認め、調査結果を発表した。同研究所所長、ノーベル賞受賞者の山中伸弥氏が謝罪した。山中氏は、辞職についても言及した。
日本メディアの報道によると、この論文の11枚の図(主要な図6枚と補足図5枚)の情報に、捏造もしくは改ざんの問題が存在する。山水氏は不正行為を認め、「論文をより優れたものに見せるためだった」と述べた。
理化学研究所の「リケジョの星」こと小保方晴子氏、東京大学教授の渡邊嘉典氏など、日本の学術界で近年生じた不正行為で、当事者は厳しく処罰された。これらのケースは研究者に警鐘を鳴らしているが、それでもリスクを冒そうとする人物がいるのはなぜなのだろうか。
ある幹細胞研究者は科技日報に対して「論文発表のプレッシャーだろう。特にホットな分野では、論文のペースとデータの質が求められる。学術界の不正は、世界的な問題だ」と話した。
その指摘どおりで、学術界の不正は受験のカンニングのように、昔から、しかも長期的に存在している。1903年にはフランス科学アカデミー会員、物理学者のブロンロが「N線」を発見したと主張し大騒ぎになったが、これは科学の歴史における有名な不正行為だ。
中国社会科学院哲学研究所科学技術哲学研究室長の段偉文氏は25日、科技日報のインタビューに応じた際に「科学研究界は社会環境の一部であり、その他の業界に存在する不正などの問題のすべてが存在する。学術界の不正は主に科学研究のプレッシャーが原因で、これにはポストをめぐる競争、科学技術資源の投入が含まれる」と話した。
段氏は具体的に「各部門のポストには限りがあり、競争が展開される。また研究者が任期内にそれなりの成果を出せなければ、強いプレッシャーを受ける。また各国がホットな分野に力を注いでいるが、経費を手にするほどプレッシャーが強くなる」と話した。