李克強総理は20日、第13期全人代第1回会議閉幕後の記者会見で、中日関係に関する質問に答えた際、「私は中日関係改善の勢いが続く現状において、今年上半期に行われる中日韓サミットの開催にあわせて日本を公式訪問することを前向きに検討したい」と明言した。(文:厖中鵬・中国社会科学院日本研究所副研究員)
だが李総理は、「中日関係の改善にはそのムードだけでなく、見識の高さと揺るぎなさが必要となる。中日両国の指導者が相互訪問することは中日関係を正常な状態に立ち戻らせることに役立つが、それ以上に重要なのはやはり中日関係の基礎をしっかり固めること」とし、「中日平和友好条約締結から今年で40周年。中日平和友好条約を始めとする中日間の4つの基本文書の精神と共通認識を遵守し、堅持すべきだ」とした。そして最後に李総理は、「中日両国の関係が小春日和のような改善を見せているというならば、いかにして三寒四温のような変化を防ぐかを考えるべきだ。中日関係を持続した安定の方向へ発展させる必要がある。中国は日本側に期待している」と指摘した。
今年に入ってから、中日関係には積極的な好転・発展の勢いが確かに生じている。1月下旬に河野太郎外相が中国を公式訪問し、安倍晋三首相も中国に積極的なメッセージを発している。中日関係がこうした改善の勢いやムードを持続できれば、中日関係の長期的で順調な発展にプラスとなることは間違いない。
だが、中日関係の基礎を固めるには、李総理が指摘したように中日関係を「1回限りの取引」にするわけにはいかず、「小春日和」が生じると同時に、「寒の戻り」を防ぐことが特に必要となってくる。
第1に、日本の右翼勢力が歴史や領有権、台湾地区問題など中日関係の発展の基礎に関わる敏感な問題において、よからぬ動きをすることを引き続き防いでいくべき点。歴史や領有権、台湾地区問題などは中日関係の発展において高度に敏感な問題であり、もし日本が中日関係改善の意思を示す一方で、歴史や領有権、台湾地区問題などで度々「小細工」を弄するようなこうした「裏表のあるやり方」または「裏表のある外交」が中日関係を深く前進させるとは言い難い。