2日付産経新聞は独自情報として、「日本防衛省が、中国機・艦艇への警戒と監視を強化する移動式警戒管制レーダーを西太平洋の小笠原諸島に整備し、『防空の空白地域』を補うことが分かった。中国機と空母が沖縄と宮古島を通過し、『第二列島線』を突破しようとしており、『威嚇と挑発』を強める恐れがあるためだ」と伝えた。ある中国の軍事専門家は2日、環球時報のインタビューに応じた際に、日本の動きを「ただの虚勢」と形容した。「日本がレーダーを配備しても、中国海軍の遠洋進出に実質的な影響が生じることはなく、むしろ地域情勢の新たな不安定要素になる」
小笠原諸島は東京から南に1000キロ以上離れており、行政区分は東京都小笠原村の管轄となっている。2日付産経新聞は一面の記事で「小笠原周辺は空自の固定式警戒管制レーダーが置かれていないため、『防空の空白地域』で移動式の展開で空白を埋める。このレーダーは外国機の領空侵犯・接近を監視できる。防衛省は太平洋への進出を常態化させている中国の軍用機や空母『遼寧艦』に対する警戒監視態勢を強化することが不可欠と判断した」と伝えた。
産経新聞は中国軍の動きについて、「中国は有事の対米防衛ラインとして設定した九州-台湾-フィリピンを結ぶ第1列島線について2013年に早期警戒機が沖縄本島・宮古島間の空域で突破し太平洋に出たことが初めて確認された後、同空域の通過を常態化。2016年12月には遼寧艦が沖縄本島・宮古島間を通過し太平洋に進出した。中国は小笠原諸島-グアム-パプアニューギニアを結ぶ第2列島線までの防衛ライン拡大を目指しており、小笠原諸島での防空態勢の穴を放置すれば、中国軍機や遼寧艦の艦載機が『領空・領海侵犯』などで威嚇と挑発を強める恐れが強い。 小笠原諸島は要衝に位置し、防空態勢の整備は中国への抑止力と対処力を強化する上で急務の課題だ」と論じた。