こうした構想は一見素晴らしいものだが、経済が成長を維持し、社員の賃金が年々上昇することが前提だ。どこかに問題が生じれば、政府の増税プランは困難に陥る。今年の春闘(毎年春に行われる労働条件の改善を要求する労働運動)では、ほとんどの企業が賃金の3%引き上げという目標を達成することができなかった。
国民の反対の声を抑えるため、日本政府は全体としては所得税増税だが細かい調節を行い、高所得層は増税、低所得層は減税とした。
日本政府は年収850万円超の層は増税とし、フリーランスなどは減税にするとしている。
ここで注目しなければならないのは、22歳以下の子どもを扶養する子育て世帯や介護世帯は増税の対象から除かれるという点だ。
「年収850万円以上で扶養すべき子どもがいる世帯は増税の対象から除く」という政策は、日本社会で議論を呼んでいる。
多くの人が、「高所得で子どもがいない人はたくさん税金を払わなければならないというのはおかしい」と感じ、「高所得層は子どもがいてもたくさん税金を払うのが当然」と考える人もいる。
政府関係者は、「この調整は子どもがいない高所得世帯と子育て世帯の実質的な所得格差を縮小する上でプラスになるものであり、税制はより公平で合理的になる」との見方を示す。