世界でモバイル決済が急成長しているが、日本の昨年のモバイル決済額は前年比1.1%増に留まり、目を覆いたくなる数字だ。さらに他の国と比べると、日本は大きく見劣りする。内閣府の統計データによると、中国のモバイル決済利用率は2015年に55%を超えていたが、日本はわずか18%のみ。米国の41%と比べても大きな開きだ。日本新華僑報が伝えた。
その一方で日本の現金流通量は驚異的な規模で、世界でも特に際立っている。日本銀行が昨年2月に発表したデータによると、日本の現金流通額の対GDP比は19.4%で、先進国のうちEUは10.6%、米国は7.9%、英国は3.7%のみ。発展途上国の中国でもこの数値は9.2%のみ。日本がまだ「キャッシュ大国」の段階に留まっていることが分かる。
客観的に論じれば、電子マネーが日本であまり普及しないのは、政府の取り組み不足ではなく、数多くの障害が存在するからだ。日本円はデザインが美しく、偽札が少なく、携帯しやすく、対外交換性も高い。100年以上に渡り、日本人から愛されている。
多くの日本人は「現金を1日でも持たないと焦る」と話している。次に、高齢化の加速により、日本が「高齢者中心」になっている。どこを見ても高齢者の社会で電子マネーという新しいものを普及させようとしても、確かに困難である。他にも日本でモバイル決済の発展が遅れていることには、金融機関の営業収入構造というより重要な原因がある。
日本の買い物や休憩のシーンでは、いたるところにATMが設置されており、引き出しが非常に便利だ。しかし多くの時間帯では、1回の引き出しに108−216円の手数料がかかる。低金利政策の長期化を背景とし、日本の金融機関が金利差で得られる利益が減少している。そのためこれらの手数料を非常に重要な収入源としている。