イベントで挨拶する田中芳樹氏。
中国のSF作家・劉慈欣氏と日本のSF作家・田中芳樹氏がこのほど北京で対談をおこなった。人民日報海外版が報じた。
田中氏は、学習院大学大学院で博士課程(国文学)を修了し、中国の古典文学や歴史に精通していることで広く知られている。その著書「銀河英雄伝説」は、星雲賞日本長編部門を受賞した。同作品は、特に中国のオンライン作家の間で非常に高く評価されている。一方、劉氏は、中国を代表するSF作家で、その著書「三体」三部作は中国のSF文学における一里塚となったと称されている。また、2015年にはヒューゴー賞長編小説部門賞を受賞した。
対談では田中氏が、「現在の世界の文壇を見渡すと、半数以上の文学作品にSFの要素が含まれている。これは文学において重要な一角を占めているといえる」とすると、劉氏も、「SF作家にしても、他のジャンルの作家にしても、それらの枠組み内で、作品の幅を広げることができる」とした。
また対談が行われた会場では、「銀河英雄伝説記念賞」表彰イベントのほか、田中氏の一連の作品の中国語版オンライン連載スタートセレモニーも行われた。主催者である猫片の王裕仁・最高経営責任者(CEO)によると、田中氏の一部の作品の映画化、ドラマ化が予定されている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月30日