麗澤大学特任教授 三潴 正道
「殷王朝は甲骨文字があったけど、夏王朝は無かったの?」
「うん、今のところそうだった見たい」
「じゃあ、中国では甲骨文字が最古の文字ってわけね」
「うーん、微妙なところだなー」
「何が微妙なのよ」
「浙江省のある遺跡でとんでもない発見があったんだ」
「なに、それ。ぞくぞくしちゃうわ」
「その遺跡、2003年からの発掘でなんと文字らしいものが発見されたんだよ」
「本当?」
「僕は考古学の専門家じゃないけど、新聞で読んだんだ」
「その文字、なんて書いてあったの?」
「そこまではまだわからないそうだ。たった6文字だし」
「なーんだ」
「でもね、筆順も一致していたらしいし、繰り返し使われていたんだって」
「ほかにはないの?」
「5000年から8000年前の遺跡で文字らしいのはいくつか発見されているそうだ」
「じゃあ、そのあたりも研究しなくちゃね」
「そう、それが<中国古代文明探源工程>さ」
「すごい!もうやっているのね」
「うん、君、良渚文化とか陶寺遺跡って聞いたことない?」
「初めて聞くわ」
「良渚文化は浙江省、陶寺遺跡は山西省、どちらも紀元前3000年ころの文化だって」
「へえー、そんな頃までもう研究しているの」
「うん、そのころ中国各地にはもう様々な文化があったらしい」
「お互いに交流してたのかしら」
「そうみたい。実はそれを証明できるものがあるんだ」
「なんだか、名探偵コナンになった気分」
「じゃあ、紅山文化って知ってる?」
「アッ、知ってる!それ、私が中国語を習った先生が研究してるの」
「マジ?」
「ええ、玉器の文化でしょ」
「その通り。紀元前3000年ころに遼河流域で栄えた文化なんだ」
「その文化がなんで交流があった証明になるの?」
「今君が言った玉器、そう、まさにその玉器が証拠なんだって」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月14日