ロイター通信の4日の報道によると、日本は9月に大型「ヘリ空母」を南中国海とインド洋に派遣し、2カ月に渡り巡航を行うことになった。これが実現すれば、日本の準空母は数年連続で南中国海を巡航することになる。ロイター通信は日本の当局者の話として、この行動は日本が「自由で開かれたインド太平洋」戦略を推進する取り組みと伝えた。
中国人にとってこれは間違いなく実に目障りな情報であり、中日関係が改善に向かう全体的な雰囲気と相容れない。これは巷で噂されている、日本の外交に対する評価を反映している。日本政府の発言と行動は往々にして相矛盾する情報を発し、わざとそのようにしているのか、あるいは言行不一致が中日関係の改善を妨げうることを理解していないのか判然としないことがある。
日本が南中国海に「準空母」を派遣する真の狙いについては、さまざまな分析と憶測がある。主流となっている観点によると、これは日本が米国に忠誠心を示す象徴的な行動だ。米国は南中国海の熱を保ち、率先して「航行の自由」によって中国をけん制しようとしている。米国は孤立しないよう、同盟国の応援を必要としている。
フランスや英国など多くの米国の同盟国が、南中国海の「航行の自由」に軍艦を派遣すると表明している。しかし彼らの多くは口にするだけか、軍艦に南中国海を「通過」させるだけであり、微妙な駆け引きになっている。豪州も「航行の自由」への参加を表明しているが、本当に参加するか、いつ参加するかはうやむやになっている。
日本の準空母「いずも」による前回の南中国海航行は、メディアに「追跡」された。今回は「かが」がまだ訪れる前に情報が漏れている。日本は米国の「航行の自由」に最も意欲的に協力していると言える。
日本は米国からの任務を果たそうとしているだけなのだろうか。それとも自発的に中国をけん制し、中国との駆け引きの駒を手にしようとしているのだろうか。あるいはこれは、自国の軍事力をより遠くに派遣する計画の一環なのだろうか。日本は一石三鳥とばかりに、南中国海で新たな外交の支柱を形成し、同地域の安全に関する存在感を強めようとしているのかもしれない。
ともかく、日本には恐らく多くの目論見があり、頑なにグレーゾーンを歩もうとしている。これによる結果については、ひとまず次のように分析できる。
(一)日本の准空母が南中国海を巡航しても、中国にとって実質的な脅威とならず、特に中国の南中国海の島礁建設に影響を及ぼすことはない。日本艦による巡航の衝撃は、米艦よりも弱い。日本艦が中国の島礁から12カイリ内に入ればハイリスクであり、日本側もこのリスクを負担する能力がないことを理解しているはずだ。そのためそうするのではなく、物議を醸しにくい通過を選択するだろう。
(二)日本艦がどのような旗印を掲げようとも、中国の政治・外交への挑発とみなされる。このようなコントロール可能なイメージを作ることは、日本の目的の一つであるはずだ。さもなければ軍艦を派遣しても無駄になる。中国人がこれに反感を持つことも分かっているはずだが、これが日本の対中関係処理の一つの手段であるのだ。
(三)日本のこの挑発は必ず中日関係に悪影響を及ぼし、中国はある種の報復をすることになる。これは日本が一方的に作り出す可能性だ。日本は中国にその能力と多くの手段があることを理解している。中日が海で「目には目を歯には歯を」の駆け引きを展開すれば、日本は何も得をしないだろう。
南中国海は日本が存在感を求める場所ではない。日本はここでは典型的な域外国であり、南中国海の航路は日本の商船に向け常に完全に開放されている。日本はここで、徳で徳に報いる姿勢になるべきだ。米国の南中国海における行動への協力は自制を保ち、中国側の感情に十分に配慮しなければならない。ここは日本が中国と駆け引きを展開する適切な場でもない。
中日は関係改善の流れを迎えている。日本が両国関係の主要なことと副次的なことを区別し、中国と米国の間で戦略的な知恵を持ち、地域の平和と自国の利益を損ねるシーソー遊びをしないことを願う。中日は永遠の隣国であり、建設的な近所付き合いを守ることは日本にとって有益無害だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月5日