日本メディアの報道によると、安倍晋三首相のイラン訪問が最終調整段階に入っている。安倍氏は7月11日にベルギー、フランス、サウジアラビア、エジプトを公式訪問し、その間にイランを訪問する可能性がある。訪問が実現すれば、日本の現職の首相によるイラン訪問は40年ぶりとなる。
最終的に実現か?
2015年にイランの経済制裁が解除されてから、安倍氏のイラン訪問が度々報じられてきた。イラン側も正式に安倍首相を招待した。「相思相愛」ではあるが、実現することはなかった。
周知の通り、日本の原油の85%は中東から賄われており、イランは日本にとって2番目の石油輸入国だ。原油調達先の多様化、中長期的・安定的な供給の保証を実現するため、イランは日本にとって非常に重要だ。日本は1970年代にイランとの間に緊密な経済協力関係を構築した。40年前の1978年9月、時の福田赳夫首相がイランを訪問した。
中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東主任は、記者のインタビューに応じた際に「安倍氏は近年、イラン訪問の適切な時期を模索してきたが、各種障害により実現はならなかった。まずは同盟国の米国からの圧力で、米国は日本がイラン問題で異議を唱えることを願わなかった。次に日本は経済大国であるが政治大国ではなく、外交の影響力は限定的だ。それから中東情勢が複雑化しており、イラン・イラク戦争で力を入れても成果を得られなかった歴史の教訓もあることから、日本は湾岸地域のアラブ石油大国との関係を維持するため、イラン問題で慎重な対応が必要になっている」と分析した。
外交学院国家関係研究所の周永生教授は、本紙のインタビューに応じた際に「希望はあるが、結果は予想しがたい。これを妨げる最大の要素は米国だ。日本とイランの双方には、協力の強い意向がある。まず、米国がイランの核合意から離脱し、イランに厳しい制裁措置を科すなか、イランは日本の訪問を大歓迎する。エネルギー貿易の協力空間を切り開き、多国間外交の展開により戦略的支柱を増やすことができる。また日本にとって、イラン訪問は日本のエネルギー安全を促進し、かつ日本の中東における空白を補い、現地でイメージを上げることができる。これによって欧州諸国や米国にとっての日本の影響力を拡大し、世界で外交を展開する基礎を作ることができる」と指摘した。
しかし米国とイランの対立が激化するなか、安倍首相のイラン訪問が最終的に実現するかには、重大な不確実性が存在する。