日本自民党総裁選は9月の開催が予定されている。自民党の岸田文雄政策調査会長は最近、立候補しないことを宣言し、安倍晋三首相を支持する姿勢を表明した。
アナリストは、岸田氏の不出馬宣言に伴い、総裁選はほぼ、安倍首相と自民党の石破茂前幹事長の間で戦われることが決まった。自民党内の重要派閥「岸田派」の安倍首相支持で、安倍首相の自民党総裁再選の勝算は高まった。
党内有力者の支持取り付けで優位明らかに
自民党内の重要派閥である岸田派を率いる岸田氏はこれまで、総裁選出馬への意欲を示していた。だが最近開かれた記者会見で、岸田氏は、自民党総裁選への不出馬を宣言、総裁選では安倍氏を支持する考えを示した。
自民党総裁選は3年に一度開かれ、党の国会議員と地方党員の投票によって新総裁が選出される。2015年、安倍首相は各派の支持を取り付け、投票なしに自民党総裁に自動的に再選された。だがここ最近、一連のスキャンダルの影響で、安倍氏の自民党内での威光にはかげりが見えており、一部の人は出馬の意欲を見せていた。
アナリストは、石破氏出馬の勢いをあなどることはできないものの、民意の支持率が高かった岸田氏が不出馬と安倍氏への忠誠を示したことで、安倍氏は「挟み撃ち」の苦境から抜け出し、国会議員票では石破氏をはるかにリードしている。
日本メディアは、岸田氏が不出馬を決めた最大の原因は、所属派閥が十分に強大でなく、安倍氏に対する勝算が立たなかったことだと見ている。岸田氏は、さまざまな要素を考慮し、ここは自ら出馬を取り下げて安倍氏に忠心を示しておけば、安倍氏に将来その地位を禅譲してもらえると考えたというのだ。
現在、安倍氏が率いる「細田派」には94人の国会議員が属し、党内最大の派閥となっている。安倍氏の支持を表明している副総理兼財務大臣の麻生太郎氏率いる「麻生派」と自民党幹事長の二階俊博氏率いる「二階派」はそれぞれ59人と44人の国会議員を擁している。さらに48人の国会議員のいる岸田派が加われば、安倍氏の勝利はほぼ間違いなくなる。
自民党第3派閥の「竹下派」内部では総裁選問題で意見が分かれ、自民党内の約2割の国会議員はどの派閥にも属していないが、日本メディアの推算によれば、すでに約300人の国会議員が安倍氏支持を表明しており、自民党国会議員の総数の7割を超える。