気候風土に慣れない新幹線
業界関係者は「日本企業のインド高速鉄道市場への進出の決意と野心については周知の通りだが、インド市場には自らの法則がある。日本が輸出するインフラプロジェクトは高額で、インド市場のさらなる開拓は困難だ」と判断した。
ムンバイのベテラン記者は「抗議が相次ぎ、ムンバイ~アーメダバード間高速鉄道が工期通りに着工するかは不確実で、さらに総工費が膨らむ可能性もある」と述べた。国営インド鉄道の関係者は、最後の期限までに土地取得を完了できなければ、日本の国際協力機構が円借款の供与を遅らせることになると懸念した。
盤古シンクタンクインド研究センターの毛克疾研究員は「ムンバイ~アーメダバード間高速鉄道が結ぶグジャラート州とマハーラーシュトラ州は経済が発展しており、インド政府を最も強く支持している州でもある。インドで高速鉄道の発展の条件が最も熟した地域と言える。この鉄道さえ予想されていた効果を得られなければ、その他の地方での高速鉄道プロジェクトはより困難になる」と指摘した。
また多くのインド人は、現在のインドは国力も資金力も限りがあるため、高額で一部の人しか乗れない高速鉄道を建設するよりも、限りある資源を長年に渡り補修されていない鉄道に向けるべきだと考えている。彼らは、規模効果と沿線の商業開発が欠けていれば、高速鉄道プロジェクトは投資収益を上げられず、運行を維持できないと懸念している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月18日