日本の共同通信社は18日、旧日本海軍が第二次世界大戦中に日本国内で毒ガスの人体実験を実施したことを証明する資料を公開した。
共同通信社は、皮膚をただれさせる「びらん剤」を塗るといった内容を詳述した複数の資料が防衛省防衛研究所と国会図書館に所蔵されていることを確認。
資料には当時海軍で毒ガス兵器の研究開発を担った技術研究所化学研究部(神奈川県)、これが改組された相模海軍工廠化学実験部の報告書がある。
相模海軍工廠が1944年にまとめた『除毒剤ニ関スル研究』という報告書は、開発した薬剤の効果を人体で確かめる実験を記述。
報告内容によると、被験者の腕にイペリットを塗った後に薬剤で洗ったり、イペリットを染み込ませた軍服の布地を薬剤で洗った後、人の皮膚に付けたりして観察した。大きな水疱ができた人もいたと記載されている。表紙には「秘」「処理法・用済後焼却要通報」などの表示がある。
そのほか、毒ガスを人に吸わせる実験の論文が国会図書館にあることもわかった。1941年に「ガス検知ならびに防御に資する」目的で実施した実験では、くしゃみ剤や嘔吐剤と呼ばれる毒ガスを吸わせ、感知までの時間を調査。
論文はそのほかの海軍軍医による過去の研究も引用。理論的に限度を超えた濃度の毒ガスを吸わせるなどの人体実験もあり、このような実験が繰り返し行われていたことがわかる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年8月20日