一方でリユース市場が拡大を続けると、新しい商品の生産に影響が出るのではないかと懸念する声もある。「日本経済新聞」は、「費用対効果を考えて中古で済ます人が増えれば、新品の需要は減る」と指摘する。第一生命経済研究所の経済学者・永浜利広氏は、中古品市場の拡大が名目GDPを0.2ポイントほど押し下げていると試算、物価上昇率も下押ししている可能性があるとの見方を示す。それでも、リユース市場が拡大すれば、小売市場にもプラスの影響が働くと見る人は多い。東京のあるホテルのウエディングプランナーは、「売るのを念頭にウエディングドレスを購入する新婦が増えた」と話す。
消費者の中古品購入意欲が高まっているのを背景に、リユース市場の周辺産業への波及効果も大きい。慶応大学の山本晶准教授によると、フリマアプリ・メルカリへの出品件数が累計で10億件に達し、ユーザーの支払う配送料は14%増となっている。また、商品を売る前に、クリーニングや修理店を利用することが多い上、郵送には梱包も必要だ。山本准教授の試算によると、周辺産業の需要は最大で年間750億円にのぼる。膨張する「中古品エコノミー」をビジネスチャンスと見なす必要がある。
その他、リユース市場が人気を高めていけば、人々の環境保護に対する意識向上や、資源の節約、環境保護にもつながり、経済発展に良い循環をもたらすとする専門家もいる。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年9月9日