「簡24」が上海にオープンした無人店の1つは営業停止状態で、入り口に「メンテナンス中」の張り紙がある。張り紙に書かれた電話番号にかけてみると、担当者は「営業再開時期がいつになるかわからない」と答えた。また、別の店舗は出口の機械が故障し、店員がレジに立ち、普通のコンビニと同じになっている。
そのほか、京東集団も2018年に500店の無人コンビニを開設する目標を掲げたが、現時点で20店しかオープンしておらず、普及に苦戦している。
無人コンビニのITシステムが正常に作動しなければ、万引きや異物混入などの事件も発生しやすい。中国は「まず試してみて失敗したら改良する」というやり方だが、技術面はまだ成熟していない。
そのほか、これらの店舗は「無人」に執着しすぎ、販売する商品はどこにでもある国産品が中心となっている。斬新さで客を引きつける時代は終わろうとしている。
しかし、中国のコンビニの市場拡張期間はまだ続く見通しで、コンビニ以外の分野での競争も激化している。
中国連鎖経営協会の統計によると、中国大陸の2017年のコンビニ軒数は16年より1万2000軒多い10万6000軒に達し、市場規模は1905億元に拡大した。日本では、コンビニ1軒あたりの商圏人口が2000人を超えれば飽和状態になるが、コンビニ競争が非常に激しい中国の場合は3200人で、まだ大きな開店余地があると言える。
新興のコンビニ「便利蜂」は特別コーナーを設置し、ガラスケースで唐揚げやおでんを販売する。中国には、日本式の陳列方法や特有商品などを採用するコンビニも多い。2000年以降、自社製品を強化する傾向が日本で強まり、中国も独自商品を争うように発売するようになった。
中国の無人コンビニは運営に苦戦するが、想像力は日本より上と言え、今後は海外でも日本企業の強力なライバルになる可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年10月1日