今年の風疹の累積患者数が近く5年ぶりに2000人を超える見通しとなり、首都圏中心だった流行が全国に蔓延し始めた。来年以降も患者が増え続ける恐れもあり、訪日客が減少するなど、東京五輪・パラリンピックに影響が出かねないとの見方も出ている。共同通信が伝えた。
日本の国立感染症研究所によると、流行が始まった7月23−29日の1週間に患者が報告された地域は、千葉、東京、愛知、三重、福岡の5都県で、患者数は計19人。しかし、10月29日−11月4日の1週間は26都道府県で154人に拡大。9週連続で100人を超えており、累積で1884人に達した。最近は関西地方の増加が目立っている。
今年10月下旬、米疾病対策センター(CDC)は、予防接種や感染歴のない妊婦は日本への渡航を自粛するよう注意喚起した。妊娠初期に風疹に感染すると、赤ちゃんに難聴や心臓病などの障害が起きる恐れがあるためだ。風疹の流行に季節の偏りはあまりみられず、数年続くこともある。今の状態が続くと訪日を控える人が増える可能性がある。
今回の流行は30−50代の男性感染者が多いのが特徴で、拡大を防ぐにはこの世代を対象に抗体検査を行い、免疫の低い人にワクチンを接種することが重要になる。ワクチン制度はたびたび変わっており、39歳以上の男性は定期接種を受ける機会がなかった。また、31−39歳の男女は中学生の時に自ら医療機関に行く個別接種だったため、接種率が低かった
流行を受け、検査やワクチンを無料で提供する自治体が増えている。ただ知らない人も多く、感染研の感染症疫学センターの多屋馨子室長は「ネットで調べてすぐに利用してほしい。大流行を起こさないよう今、患者の増加を止めないといけない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年11月20日