日本の石井啓一国土交通大臣は18日、日本の国際線増便に伴い在日米軍の管制空域を通過する関連問題をめぐり、日米の調整が最終段階に入ったと述べた。新飛行ルートの開通後、日本は同空域の民間航空管制権を手にする見通しだ。
【米国側がうなずく】
石井氏は同日の閣議後の記者会見で、2020年東京五輪・パラリンピックに向け、2020年春に複数の国際線を増便すると述べた。終点は東京の重要なハブ空港、羽田空港となる。
羽田空港の西には在日米軍横田基地がある。基地は東京都福生市などに位置し、東京都心から約40キロ離れている。在日米軍司令部、米空軍第5航空軍司令部が置かれている。基地の上空の空域は「横田空域」と呼ばれ、主に米軍が管制している。
米軍の管制により、羽田空港に向かう民間機は長期的に、千葉県などから迂回するか特定の高度で飛行する必要があり、空の渋滞が生じていた。米国は過去に一部空域の管制権を返還しており、直近は2008年。推算によると、今回の返還により羽田空港に向かう便の飛行時間が、毎年7200時間減少する見通しだ。
石井氏によると、国交省は米国側と調整を続け、東京及び周辺の空域の管制権を求めている。米国は日本に「横田空域」の民間航空管制権を与えることにほぼ同意しているという。