北方四島交渉、日本の手に乗らない賢明なロシア

北方四島交渉、日本の手に乗らない賢明なロシア。ロシアが安倍氏の計算よりも賢明であることは疑いようもない。ロシア人は自分たちの最も主要な敵が米国であり、中国が包括的・戦略的パートナーであることを理解している…

タグ:日露両国 対露 投資 利益

発信時間:2019-01-23 16:25:33 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 ロシアは国際関係と外交の舞台における百戦錬磨の国であり、狡猾とも形容できるほどだ。日本のこの手の浅はかな交渉の知恵で騙せるはずがあろうか。むしろ日本は自分が仕掛けた罠に落ちることになるだろう。当初の見積もりではこのような手段が効果的であり、そのためアピールを繰り返し全力を尽くすが、ロシアに対してまったく効果を発揮しないばかりか中国の反感を買うことになるからだ。


 日本国内でも極めて悲観的な論調が見られる。すなわちロシア側には領土返還の誠意が最初からなく、安倍首相本人もこのような観点を持ち始めているということだ。しかし北方四島の返還を求め続ける日本メディアは、すでに国民の期待感を過度に高めている。安倍氏はこのメディアの「監督」であり、途中で幕引きを図ることはできない。前途多難と意識していても、夢のような奇跡が生じ、飴と鞭によりプーチン氏が急に日本の願いを叶えてやることに期待しつつ、このドラマの監督を続けなければならない。これは安倍氏の領土問題に対する最後の期待だろう。とは言え体裁は保ち続けなければならない。まことしやかにロシアと交渉を続け、さらに計画通りロシアを訪問し、両国の首脳会談に挑まなければならない。


 ところが実際には、日本はプーチン氏の詐術に惑わされ、完全にわけが分からなくなっている。罠にかかった北海道のヒグマのように、盲目的に壁にぶつかるしかない。プーチン氏の詐術はどのような形で終了を迎えるのだろうか。これは部外者が断言できることではなく、知っているのはプーチン氏のみだ。しかし全体的に見ると、日本の立場が弱く、ロシアがいっそう勢いづいている。日本は投資、経済協力、技術支援などの手段を通じロシアの態度を和らげようとしたが、ロシアは利益だけを受け取り、自国にとって損になることについては絶対に手を緩めず、すべて拒否している。日本はロシアからメリットを手にすることが困難であり、ロシアも軽率に日本の手に乗ることはない。そのため安倍氏は今後、ロシアとの交渉がより困難になり、予測し難くなる。(筆者・周永生 外交学院国際関係研究所教授、博士課程指導教員、日本研究センター副主任)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年1月23日

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