日本体操男子チームが初めて訪中し、中国チームと合同合宿を行った。30日のメディア公開日には、日本の主流メディアのほぼすべてが取材に駆けつけた。国家体育総局体操運動管理センターの繆仲一主任は、スポーツの魅力は勝敗だけにあるのではなく、勝敗を左右するのも技術だけではないと述べた。
体操はポイント制で、難易度と完成度によって点数がつけられる。難易度は動作の難しさと組み合わせによって決まる。体操の日常的な練習は、動作の難易度などの重要情報に関わるため、どの国のチームも「機密事項」としている。つながった動作の練習風景を撮影するのも「タブー」であるほどだ。
各チームはこれまで、大会期間中にできる限り相手チームの練習映像などの情報を集め、さらに競争相手が国際大会に参加した際のビデオなどを何度も研究する。そのため世界トップの男子体操チームである中日が合同合宿と相互訪問を行うのは異例だ。
30日のメディア公開日では、両チームとも双方の監督の練習計画に基づき交代で練習したが、選手たちは同じ場所で練習する際に意思疎通し、相手の動きを注視した。練習終了間際、肖若騰、鄒敬園ら中国の若い選手は、内村航平など日本の選手と談笑した。上手く意思疎通できない時はスマホの翻訳ソフトで言語の壁を乗り越え、最後には自撮りまで行った。
繆氏は「私たちスポーツマンは使命感と責任感を背負い、競技中はトップを目指さなければならない。中日体操チームは競技場ではライバルだが、競技が終われば友人だ。スポーツは競技場での勝敗を決めるだけではなく、人類の交流と意思疎通の方法でもあるからだ。スポーツの勝敗を左右するのは技術だけではなく、スポーツ文化に対する理解の方が重要だ」と指摘した。
繆氏は日本の「全能王」である内村航平にも賛辞を惜しまなかった。「内村航平という30歳のベテランには、中国の若い世代の選手が学ぶべき点が多い。体操を愛し真剣に打ち込み、自分を厳しく律し、技術を追い求めることなどだ」
内村航平はインタビューに応じた際に、怪我により過去2年間はコンディションを崩しており、現在は中国チームの肖若騰、鄒敬園らの方が実力があると話した。また現在の目標は東京五輪の出場資格を得ることだと述べた。
日本体操男子の水鳥寿思監督は「中国男子チームは平行棒とあん馬のレベルが高く、合同合宿でも多くの教育方法を教わり、多くのことを学んだ。日本男子は筋トレが少なく、中国チームほど細かく指導しない。そのため今回の合同合宿は、東京五輪で金メダルを目指す日本男子チームにとって有益だった」と述べた。
肖若騰は「合同合宿はすばらしい。選手間の交流と学習を促進すると同時に、練習中の差を観察できる。彼らの練習中の態度は私たちよりも真剣だった印象があり、この点については学ぶべきだ」と述べた。チームメイトの鄒敬園は「中国チームも2月11-17日に東京を訪問する。日本チームの床運動と鉄棒の技術をしっかり学びたい」と話した。
繆氏は「今回の試みは国際体操連盟から認められた。今後はこのようなコミュニケーションを常態化・拡大化させ、米国やロシアなどの体操強国と共に協力し、世界の体操の健全な発展を促したい」と表明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月1日