自民党の競争政策調査会はこのほど「GAFA」と呼ばれるアメリカ大手IT企業4社を呼び、非公開でヒアリングを行った。GAFAとはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン4社の頭文字を組み合わせた略称だ。4社は国家を上回る資金力を背景に世界中から優秀な人材を集め、インターネット関連のビジネスを思うがままに牛耳るまでになっている。日本の消費者も企業もGAFAのサービスへの依存度は深まる一方である。環球網が伝えた。
それでは自民党がこれら「超国家企業」4社からヒアリングを実施したのは、なぜなのか。GAFAはインターネット検索や通信販売の分野で急成長を遂げ、データの囲い込みを加速させているのだが、個人情報の取り扱いや取引ルールに関しては、利用者や商品出店企業からさまざまな懸念や問題(「アマゾン・ポイント」など)が指摘されるようになった。
アマゾンは今年5月以降、全商品に1%以上のポイントを提供することを発表した。問題は、このポイント還元の原資はアマゾンが負担するのではなく、ショップに負担させるという点だ。ショップからすれば、利用者にポイントを提供しても、別の店で使われる可能性がある。アマゾンの利用者囲い込み戦略のために実質的な値下げを強制されるに等しい。
さらに大きく問題視されているのは、GAFAが莫大な利益を計上していながら、それに見合った税金を納めていないという指摘だ。2018年10月−12月期決算の最終利益は4社合計で388億ドルにのぼる。しかし日本国内に支店や工場など恒久的施設がなければ、課税されない。ネットを通じて日本の消費者に商品を売り、大きな利益を上げている。日本のIT企業との公正な競争が阻害されることになる。
上述した問題を受け、日本政府は6月末に大阪で開催されるG20首脳会議を機会に、世界的な巨大IT企業に対する「デジタル課税」に関する国際的なルールづくりを主導する考えだ。今回の自民党によるヒアリングは、それに向けての提言をまとめるためのもの。現時点では、「巨大IT企業の監視機関の創設」「中小企業に対する不公正取引の防止策」「不当な個人データ収集の適正化」が主な監督管理の方針になっている。また経済産業省、公正取引委員会、総務省が合同で「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」を発足させており、6月までにGAFAの監督管理の具体的な規制策を取りまとめる予定だ。