しかし日本とイランの関係が、米国とイランの関係の影響を受けていることは間違いない。米国は対外戦略を推進する際に、日本に足並みを揃えるよう求め、日本の利益をまったく顧みない。日本は長年に渡り米国の顔色を伺いながら、できる限りの範囲内でイランとの関係を維持すると同時に、自国の国益を守ってきた。米国の覇道がその他の同盟国から反対されれば、日本も自らの主張を掲げる。例えばトランプ氏が昨年5月8日に「6+1」のイラン核合意から離脱すると宣言すると、河野太郎外相はその翌日「日本は引き続き核合意を支持する。関連国と建設的な力を発揮したい」と表明した。これは日本が米国の対イラン制裁に同調しないことを示した。
安倍氏のイラン訪問計画は、イランの外相が今月訪日した後に発表され、米国から認められた。そのため安倍氏がトランプ氏に「伺いを立てる」と、日米の多くのメディアは、この特殊な役割により安倍氏は仲裁者になると分析・判断した。
しかし安倍氏が仲裁者として成功を収められるかは、説得役として成功できるかにかかっている。日本に独自の外交政策がなく、ただの「メッセンジャー」になるならば、いわゆる堅固な日米同盟とは主従関係が堅固なだけに過ぎない。
しかしイランは日本の調停にそれほど大きな興味を示していないようだ。イラン外務省の報道官は28日、安倍氏の訪問は両国関係を改善するが、日本が緊張するイランと米国の関係の仲裁者を演じようとするならば、今はまだその時期ではないと述べた。(筆者・廉徳瑰 上海外国語大学日本研究センター主任)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月29日