世界の製造業が苦境に陥る
世界の製造業の低迷は6月に深刻化した。世界各地のデータを見ると、貿易緊張情勢が経済成長の足を引っ張っていることが分かる。
JPモルガンとIHSマークイットが作るグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数)は、2012年6月ぶりの低水準を示した。新規受注が急減し、景況感が過去最低まで悪化した。6月のPMIは49.4で前月の49.8を下回った。これは多数の企業が生産減を報告していることを意味する。
米供給管理協会(ISM)が発表した最新データによると、米国の6月のISM製造業PMIは51.7で、前月の52.1をやや下回り、2016年10月以降の32カ月で最低の水準を示した。うち6月の新規受注指数は分水嶺の50を下回り、2015年12月ぶりの低い数値をつけた。物価支出指数は2月ぶりに50を下回り、2016年2月以降で最低の水準となった。
ユーロ圏の6月の製造業PMI(確定値)は47.6で、速報値の47.7を下回った。ユーロ圏の製造業は5カ月連続で低迷した。経済けん引役のドイツの製造業PMIは、6月も50を下回った。
アジアを見ると、日本の製造業活動は6月に再び低迷した。IHSマークイットによる日本製造業PMIの6月の速報値は49.5で、5月の確定値は49.8。同指数は3月ぶりの低水準を示し、2カ月連続で50を下回った。日本国内・海外新規受注指数の6月の速報値は47.3で、2016年6月ぶりの最低水準となった。5月の確定値は48.7。韓国の6月の製造業PMIは47.5で、5月の48.4に届かず、2月以降で最も深刻な低迷となった。新規輸出受注は11カ月連続で低下し、過去最大の下げ幅を記録した。
市場関係者によると、製造業の低迷は逆イールドよりも信頼できる衰退のシグナルだ。モルガン・スタンレーは、国際貿易の不確実性が依然として残り、経済の今後に影響を及ぼすと判断した。各地の製造業が低迷を続け、過去最低を更新しているが、これは世界経済の成長が減速し、貿易摩擦の世界経済への影響が顕在化しつつあり、下向きの圧力が蓄積されていることを意味している。国連も「2019年後半の世界情勢展望」の中で、世界経済の今年の成長率が2.7%に低下すると予想し、年初の約3%の予想値を引き下げた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月9日