紀念館の歴史展示を見学する団員達(紀念館側提供)
石川克己さん(73)は30日、日本による中国侵略の歴史の真相を追い、28年連続で「平和の旅訪中団」を率いて訪中した。今回の団員は計14人で、過半数が1980年代生まれ。中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館(以下「江東門紀念館」)をわざわざ訪れ、紀念館側代表と交流した。中国新聞網が伝えた。
同日午前、石川さんは「平和の旅訪中団」を率いて江東門紀念館で交流を行い、「南京大虐殺史実展」も見学した。
館内では団員が南京大虐殺の生存者である葛道栄さん一家と交流した。
葛さんは南京大虐殺期間の自分の家族の悲惨な体験を「平和の旅訪中団」のメンバーに語った。1937年当時、葛さんはわずか10歳だった。おじ達は日本兵に惨殺された。葛さん自身も金陵大学の避難民キャンプ内に押し入った日本軍に銃剣で右足を刺された。
「平和の旅訪中団」の訪中はすでに28回目。日本による中国侵略の歴史の真相を追っている(紀念館側提供)
葛さんは1937年12月に南京・下関が死体に溢れ、血が川となった情景を描写した旧中国侵略日本兵の証言を見せた。交流会の最後に葛さんは「わが家の体験は南京大虐殺期間の1つの事例に過ぎません。まだ多くの家庭が様々な不幸に見舞われました」と指摘。日本の若者がいつまでも歴史を忘れず、皆が共に平和のために努力することを望んだ。
石川さんは、中国が日本に侵略された歴史の史実を調査・研究するため、日本国内の青年を集めて「平和の旅訪中団」を組織し、訪中した。これを28年間堅持してきた。ひとたび始めると、苦労をいとわず、困難だと思ったこともなく、中断したこともないという。
「私たちは観光団ではなく、観光に来たのではありません。私たちが選ぶ場所はいずれも中国侵略日本軍関連の紀念館や遺跡であり、皆が日本による中国侵略の歴史を知り、それを踏まえて侵略戦争を反省するようになるためです」。現在までに、すでに累計3000人近くの日本人青年を率いて訪中交流を行ってきた。「彼らの中には地方公務員もいれば、小中学校の教員もいます。費用は通常自費で1人10万円、これが全経費の7~8割で、残りは委員会が補助金を出します」。
1985年生まれの山田竜司さんが江東門紀念館を訪れるのは、すでに4回目だ。「日本の多くの人はこの歴史を知りません。紀念館見学後、私は深く考えさせられました。若い世代として、歴史の真相を客観的に見極め、世界平和のために多く努力します」。(編集NA)
以前編集した本を座談会で凌曦副館長に見せる石川さん(左から二人目。紀念館側提供)
「人民網日本語版」2019年7月31日