新安保条約には、近年頻繁に取り上げられている「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」という第5条が含まれる。新安保条約に基づき、日米は現在まで続く同盟関係を形成した。日本の安倍晋三首相は今月6日の年頭記者会見で、外祖父の岸信介が60年前に日米安保条約の改正を推進したことに言及し、その「歴史的貢献」を強調した。
日本メディアは日米安保条約署名60周年に注目した。日本経済新聞は社説で、両国の絆はこの60年でまったく揺らがなかったわけではなく、日米安保条約の歩みを振り返ることで今後の方針を検討すべきと論じた。朝日新聞は、「国内外のさまざまな情勢の変化があるが、日本にとって米国は依然として、国際戦略環境における積極性を維持するための唯一の選択肢だ」と伝えた。日本の自主性の強化を主張し、「日本は自国を防衛すべき」と表明している安倍氏でさえトランプ氏に積極的に歩み寄り、「日米同盟は現在も外交・安全保障政策の礎だ」と強調している。共同通信は18日、「日米同盟の基礎が揺らぐことはなく、日本も米国の戦略に深く関わっている。しかし中国が軍事大国に向かい邁進し、トランプ氏が米国ファーストを強調し、同盟のコストの負担に消極的になる現在、日米同盟は新たな課題を迎えることになる」と伝えた。
数十年に渡り、日米同盟は信頼の試練に直面してきた。トランプ氏の大統領就任後、日本では「日米同盟が瓦解する」という懸念が生まれたほどだ。共同通信は、安保条約によると日本には米軍に基地を提供する義務があるが、トランプ氏は公の場で「安保条約は不公平」と発言したと報じた。トランプ氏は昨年6月、米国メディアを前にし「米国はどれほど大きな犠牲を強いられようと日本を保護する。しかし米国が攻撃を受けた場合、日本はソニーのテレビの前に座りこの状況を見ているだけでいい」と述べた。
在日米軍駐留経費の関連協定の改正をめぐる交渉が今年、正式にスタートする。米国側は日本に経費の負担拡大を求め、さらに米国製の武器の大量購入を求めるとの見方もある。
60年前に日米は新安保条約に署名し、大きな物議を醸した。60年後も日本では、日米安保同盟の破棄を求める声が聞かれる。日本共産党の笠井亮政策委員長は毎日新聞(電子版)に記事を投稿し、「日米安保をいつまで続けるか、現在は議論の絶好の時期だ」「日米安保関係の強化は、北東アジアの緊張を激化させる」と主張した。18日付西日本新聞は社説の中で、「日本の安保を考える時に、平和憲法の存在を絶対に忘れてはならない。日本は戦争を回避し利益を手にする国になるため取り組むべきだ。国際的な信頼の獲得こそが、他にはない重要な富だ」と論じた。
米国と旧安保条約に署名した当時の吉田茂首相は晩年、「永遠に他国の力に期待することには疑問を抱く」と記した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月19日