最後に、我々は日本の中国に対する二面性の駆け引き的な要素について弁証・認識するべきだ。中日関係の現実に目を向けることで、日本の対中交流の二面性が二国間、さらには大国間の駆け引きの処理であることが分かる。この実用的かつ功利的な二面性には、客観的に存在する歴史の連続性があり、また戦略的駆け引きの現実的な拡張性がある。日米欧などの外交の処理における駒を確保でき、また経済面の値段の掛け合いの意味合いもある。今回の中日関係正常化がいかに変化しようとも、両国間の協力に摩擦が伴い、交流において食い違いが生じ、互恵において駆け引きが生じることが中日正常化の新常態になる。駆け引きは日本の対中交流の二面性の戦略的な現れであり、中日正常化の軌道において取り除くことが困難な障害でもある。
これらの特徴を認識することで、我々は両国関係正常化の前進の方向をより正確に把握できる。中日の2000年以上に渡る交流の歴史、特に100年の近現代史は我々に、中日が「和すれば共に利し、争えば共に傷つく」であることを教えてくれる。歴史は私たちに、ゼロサムゲームの冷戦思考を持ち、協力と交流において遠回しなけん制をやめなければ、相互信頼を促進することはなく、ウィンウィンを損ね、未来に禍根を残すことを教えてくれる。中日関係正常化の今後を見据えると、日本の二面性が周期的に発生し、多くの不確実性が生まれるという問題もある。しかし中日が二国間新型協力のモデルを構築し、アジア太平洋の地域一体化を促進することにも期待できる。我々には、中日関係正常化の前進の方向を把握することが、両国の国益と長期的な発展に合致することを信じる理由がある。「中日の平和・友好・協力は人心と大勢の赴く所」だ。当然ながら我々は合理的で根拠のある、節度ある対応を諦めない。ただし弁証と認識により、協力を確立する自信が必要だ。(筆者・笪志剛 黒竜江省社会科学院北東アジア研究所所長、研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月20日