横浜港で検疫中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」について、症状がなく、ウイルス検査の結果が陰性だった乗客500人の下船が19日の午前中から始まった。14日間の隔離観察期間は18日で終了した。
19日の時点で、クルーズ船の乗客・乗員3711人のうち、新型コロナウイルスの感染者は621人。日本の隔離措置に多くの疑問の声が上がっている。「実験は失敗」だったと指摘する専門家も少なくない。
▽第一陣の乗客が下船
19日午前、高齢者が中心の乗客約500人の下船が始まった。彼らは2週間の隔離期間を終え、感染者との接触もなく、検査結果は陰性だった。多くの乗客が下船後、船内の人たちに手を振って別れを告げた。
「本当にほっとした。ゆっくり休みたい」と乗客の一人(77)は話した。電車で家に帰るという。
AFP通信によると、横浜港には、乗客をより広い世界に送り届けようと待機する大型バスやタクシーの行列ができていた。彼らにとって、ようやく長い隔離期間が終わったのだ。
ただ、すべての人がそう幸運ではなかった。英国人乗客のデービッド・アベル夫妻は下船できなかった。彼らは18日に新型コロナウイルス肺炎の感染が確認されたのだ。アベルさんはフェイスブックに自分がまだ船内にいると書いた。病院に移って治療するまで、4~5日間ホテルで待つことになるという。夫妻は隔離期間中の動画をネットに公開して有名になったが、その後、更新は一時停止するとコメントした。
この夫妻は以前、英ヴァージン アトランティック航空の社長に、飛行機を派遣して帰国させてほしいと訴えていた。
実際のところ、日本が船内すべての人を対象に検査を行い、全員を21日までに下船させると発表する前に、多くの国がチャーター機を派遣し自国民を退避させると発表していた。米国は17日、感染者14人を含む船内の300人の米国国民を帰国させた。
英国、オーストラリア、イタリアなどの国も退避を発表。米国と同じく、乗客は帰国後さらに14日間の隔離が求められる。
検査結果が次々に出ているが、3日以内にすべての乗客が下船するものとみられる。ただ、感染者と密接な接触があった乗客はさらに14日間隔離される。