クルーズ船がなぜウイルスの「培養皿」に?隔離の効果なし

クルーズ船がなぜウイルスの「培養皿」に?隔離の効果なし。岩田教授は18日、クルーズ船に乗船して検疫作業を行い、船上で撮影した動画をソーシャルサイトで公開、80万回を超える再生回数があった…

タグ:岩田 クルーズ船 乗船 検疫作業

発信時間:2020-02-20 17:29:33 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


▽隔離措置が不十分


 今回のクルーズ船での隔離について、「実験は失敗」だったと指摘する科学者も少なくない。どうしてこのような結果になってしまったのだろうか?


 専門家は、船内の隔離が想像ほど厳しく行われなかったのではないかとみている。船内の検査に立ち会った日本の保健当局者も3人感染しているからだ。


 「隔離に効果がなかったのは明らか。クルーズ船が感染源になった」とロンドン大学キングスカレッジの医学専門家、ナタリー・マックデルモット氏は指摘する。AP通信の取材に対し同氏は「船内で具体的にどういった隔離措置が取られていたのか、船内のエアフィルタシステムや部屋の構造、廃棄物の処理方法などについてはわからない」とし、新型コロナウイルス肺炎は主に飛沫から感染すると科学者は主張しているが、他の感染経路もあるかもしれないとの見方を示した。そのため船内全体の清掃を徹底し、汚染された物体の表面に乗客が触れないような予防策も非常に重要とし、「隔離がきちんとされていれば、効果がないはずはない」と指摘した。


 われわれの想像ほど乗客同士の接触がなかったわけではないとする専門家もいる。


 「船内の環境で隔離措置を実施するのは難しい」とイースト・アングリア大学医学部のポール・ハント教授は指摘する。


 「乗客の中には人から何はしてもいい、何はしてはいけないと命令されるのを嫌う人もいる」というのだ。


  一方、乗員同士を隔離しなかったことも失敗の原因の一つではないかという見方もある。


 世界保健機関(WHO)西太平洋事務局長を務めた尾身茂氏は、船内の乗員が乗客と同じように隔離されず、乗員同士は共同生活をしていた。これが隔離開始後に一部の人がウイルス感染した原因ではないかとの見解を示した。


 さらに、クルーズ船の隔離決定自体にも疑問の声が上がっている。マギル大学ウイルスに詳しいアンナ・ガティノ教授は「ウイルス専門家の角度からみると、多くの人を乗せたクルーズ船は隔離に向いた場所ではなく、ウイルスの培養皿のようなもの」とモントリオール・ガゼット紙の取材に答えた。

 

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