福島原発の廃炉作業の最難関とされる核燃料の取り出しについて、東京電力廃炉推進部門の最高責任者である小野明氏は「10年前後で正式な回収の基礎を固めたい」と述べた。
報道によると、福島第一原発は原子炉建屋上部の使用済燃料プールから燃料を運び出し、回収済み低放射性廃棄物の保管方法を調整することを検討中だ。小野氏はこの課題について「今後10年で核燃料以外の作業に一段落をつけたい。これを踏まえた上で正式な回収の基礎を固める」と強調した。
報道によると、東電は2021年より福島原発2号機から少量の核燃料を取り出す。現在はロボットを原子炉安全シェルター内に投入し作業する方法を検討中だ。小野氏は「この措置により核燃料が堆積している場所までのルートを確認し、さらに回収物の性質を分析できる。その後3基の核燃料取り出し作業において正式に運用する」と述べた。
放射性物質トリチウムを含む大量の核汚染処理水が保管されていることについて、小野氏は「これは現地住民から懸念される。政府には大きな方針を示して欲しい」と述べるに留まった。
使用済核燃料プールからの燃料運び出しは、廃炉作業の主な内容の一つだ。メルトダウンした燃料の運び出しの開始時期は何度も変更されている。また核燃料の形状と堆積の範囲などには不明瞭な点が多く、廃炉作業の最大の難関になっている。
2011年3月11日、東日本大震災が発生した。大型の津波と福島原発事故が発生し、1万人以上の死者が出た。多くの現地人が帰宅できなくなった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月6日