6月30日、日本のテレビ局の朝のニュースで、ロックダウン解除後の湖北省武漢市の現状を紹介するドキュメンタリー「お久しぶりです、武漢」が紹介された。同ドキュメンタリーを制作したのは、今年3月にショートフィルム「緊急ルポ 新規感染者ゼロの街 新型コロナ封じ込め徹底する中国・南京を歩く」を制作して、中日両国で大きな話題となった竹内亮監督だ。同ショートフィルムの第一部は日本最大のサイト・ヤフージャパンのホームページで紹介されたほか、朝日テレビやTBS、フジテレビなどの各大手テレビ局が何度も紹介した。竹内監督は今回、「お久しぶりです、武漢」を通して、日本のネットユーザーに、自分が客観的に見た武漢の現状を紹介している。人民網が報じた。
リアルな武漢をカメラに収めた日本人監督
ドキュメンタリー「お久しぶりです、武漢」のポスター
「ありのままの武漢を世界の人々に見てもらいたかった」。南京に住むドキュメンタリー監督の竹内監督は、武漢を10日間訪問して、10家族の10のエピソードを撮影し、一般の人のエピソードを通して、武漢の新型コロナウイルスとの闘いの過程と、収束後の回復状況を描き出している。竹内監督は「このドキュメンタリーを制作した一番の目的は、武漢の現状を世界に紹介すること。中国国内の人だけでなく、世界中の人に見てもらいたい」と語る。そのため、外国人が知りたがっている感染源となった華南海鮮市場やわずか数日で建設された新型コロナ専門の臨時病院の雷神山医院、新型コロナウイルスに感染し犠牲となった人の遺族、医療関係者などが次々登場する。
竹内監督が制作するドキュメンタリーは、日本のオーソドックスなドキュメンタリーとは全く異なる。オーソドックスなドキュメンタリーでは、監督が登場することは基本的になく、台本づくりや編集を通して自分の考えを表現する。一方、竹内監督のドキュメンタリーは実際に撮影する時には台本はなく、前もって予定している方向性もない。今回の「お久しぶりです、武漢」も同じだ。武漢に実際に到着するまで、武漢の実際の状況は知らず、撮影対象との会話、交流も、自然な流れで記録されたノンフィクションだ。
撮影中の竹内亮監督(画像は取材対応者提供)
ドキュメンタリー「お久しぶりです、武漢」のスクリーンショット
「お久しぶりです、武漢」の撮影対象は竹内監督が5月中旬に微博(ウェイボー)を通じて募集を行った。制作チームは最終的に、応募した約100人の中から、各業界で働く「普通の人」10人に対象を絞り、取材した。10人の中には、133日間の休業を経て、営業を再開した日本料理の居酒屋オーナーの頼韵さん、武漢の文化をドローンなどを使って撮影し、世界の人々に紹介する中学校の英語教師、100日以上離れ離れになり、ついに再会したカップル、カメラをヘルメットに付けて自分が見たものを記録し続けたデリバリー配達員の計さん、歌とダンスで新型コロナウイルス感染患者を励まし続けた看護師の■勝男さん(■は龍のしたに共)などが含まれており、新型コロナウイルス感染拡大が一般の人々にもたらした恐怖と悲しみ、それに勇敢に、そして確固として立ち向かった様子がリアルに描かれている。ごく普通の家庭で実際にあったこうしたエピソードは、武漢のここ数ヶ月間の特殊な記憶であり、それらの記憶が竹内監督のドキュメンタリーによって表現され、記録されている。