米国と歩調を合わせる日欧 理想的な結果は期待できず

米国と歩調を合わせる日欧 理想的な結果は期待できず。日米の「2プラス2」の共同声明後、日本は米国のバイデン政権に追随し、中国に強硬な立場をとる外交の姿勢を強めている…

タグ:日米 両岸問題 同盟国 国際秩序

発信時間:2021-05-28 11:28:39 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 当然ながら日欧の共同声明は、双方の「共同の意見」の現れだ。欧州は中国問題及びいわゆる「インド太平洋問題」でも米国に歩調を合わせ、日本などのインド太平洋諸国の力を借りる需要がある。欧米日は当時のG7の重みと同様、国際秩序は自分たちが主導すべきという姿勢を崩していない。彼らは国際社会の覇権の既得権益者になっており、この既得権益に関わるすべての「脅威」「挑戦」を敵視する。これらの国が近年、いわゆる「自由、民主、人権などの普遍的な価値を基礎とする国際秩序を守る」と再三喧伝し、「力による一方的な現状打破」に反対しているのはそのためだ。いわゆる「現状」とは、彼らの既得権益の固定だ。


 日本が口にする「現状」は欧州よりも多層的だ。日本は西側主導の国際秩序の重要なメンバーであり、中国の隣国でもあり、さらにはアジアの「国際代表」であるべきと自認し続けている。そのため日本は「現状」維持により積極的で、自国の既得権益が失われることにもより敏感だ。安倍政権が「自由で開かれたインド太平洋」を日本の外交の最も中心的な枠組みとしたのも、深い考えがあってのことだ。この枠組みには価値観の要素が含まれるが、これは日本が欧米、さらにはインド太平洋のいわゆる「民主国」を抱き込むための重要な口実と舞台になっている。この枠組みにより、日本は自国を西側を軸とし価値観を基礎とする国際秩序の旗手、急先鋒にしようとしている。同時にこの枠組みには明確な地政学的境界がある。つまり日本はインド太平洋という領域において、自国はより重要な力を発揮すべきと考えている。米国に学ぶ日本は、自国の「裏庭」の既得権益は侵されるべきではないと考えている。


 一部の親米勢力が中国の「脅威」はすでに旧ソ連を超えていると喧伝したが、このセンセーショナルな説がEU及びその加盟国の意思決定者の認識を変えられないことは明らかだ。欧州の利益は主に欧州大陸と周辺地域にある。英国やフランスなどの欧州主要国はもはやかつての世界的な植民大国ではなく、過去数十年に渡りアジア太平洋地域における現実的な利益が縮小している。


 米国は世界の覇権を出発点とし、日本は地域の主導権の争奪を出発点としており、アジア太平洋事務により積極的に介入している。欧州が日米と歩調を合わせるのは、上述したように米日を利用しその「価値観」と国際秩序を守ることを示すためだ。またアジア太平洋への軍艦の派遣、日本などとの軍事演習といった中国への挑発により、地域における「存在感」をアピールするためだ。また、欧州はアジア、もしくはいわゆるインド太平洋地域の経済及び地政学的な重要性を確かに意識しており、同地域で事前に展開しようとしている。現在はまだ戦略の方針を固めていないだけだ。特にバイデン政権の発足後に何度も抱き込まれたことで、アジア太平洋事務及び対中問題を含め、欧州の一部の「大西洋主義者」が米国に大きく傾いている。


 全体的に見ると、日欧の今回のテレビ会議の中国に関する文言は極めて乱暴だ。双方には都合のいい計算があるが、中国に強硬な姿勢を示すことで願いどおりになることはない。

 

  「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年5月28日

 

 

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