実務翻訳者
清水友香
もうすぐ北京オリンピック・パラリンピックが開幕します。昨年の東京大会に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受ける中で、海外からの観客受け入れも一般向けチケット販売も見送られてしまいました。もしコロナ禍でなければ、私も間違いなくチケット抽選に挑んでいたはず。そう思うととても残念ですが、日本で自宅のテレビの前で熱く観戦するつもりです。
競技会場は、北京、延慶、張家口という3ゾーンに分かれ、北京では2008年の夏季オリンピックで使用された施設も活用されます。私は、2013年に北京を訪れた際にローカルバスに揺られて中国国家体育場と中国国家水泳センターを見に行ったことから――それぞれ通称「鳥の巣」「水立方」と呼ばれる、あの個性的な建物です――なにか懐かしい気持ちとともにワクワクしています。
映画監督・張芸謀氏が総合演出する開幕式、ノルディックスキー・ジャンプ、スノーボード・ハイフパイプやビッグエア、フィギュアスケート、カーリングなど、気になる競技の日程をチェックしつつ、もう一つ注目しているのは、表彰式でメダルとともに選手に贈られる「ビクトリーブーケ」。
今大会のビクトリーブーケは、生花ではなく、すべてハンドメイドの毛糸編みで作られるというから驚きです。総数1,251束! オリンピックはバラ2種、スズラン、アジサイ、ローリエ、オリーブの6種、パラリンピックはさらに青いコスモスを加えた7種の花ですが、なにせハンドメイドですから、制作に約5万時間を要したそうです。腕に覚えのある編み手の方々が1束に35時間以上……想像するだけで気が遠くなりますね。
それぞれの花が、友愛、強靭、幸福、団結、勝利、平和、そして不屈を表し、それらを束ねるリボンは、五輪カラーの中から、ウィンタースポーツをイメージするブルー(オリンピック)と生命力を感じさせるイエロー(パラリンピック)が使われます。
メダルの脇役ではありますが、このサステナビリティにも配慮された「永遠に咲き誇る五輪の花」を、皆様もどうぞお見逃しなく!
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年1月25日