先日、日本の長野県日中友好協会の旧友から地元の「信濃毎日新聞」に寄稿した女性会員二人の新聞の切り抜きが2枚送られてきた。短い文章で、高邁な言葉もないが、行間には北京冬季五輪の成功を心から願うと共に中日国交正常化50周年に寄せる善良な二名の日本人の深い期待が込められていた。心からの誠実さに、読んで深く感動した。
松原京子さんの寄稿は「平和の盛典の成功を祈る」と題して、彼女が見た北京冬季五輪開会式の衝撃と感動を表現していた。とりわけ聖火が点火された瞬間は、小さな明かりながら、会場全体を明るく照らし、世界を明るくさせたようで、その素晴らしい画面には生涯忘れられない感動を覚えたという。松原さんはまた、3年前に北京冬季五輪組織委員会の蔡奇会長が1998年長野冬季五輪の会場を視察した時の光景を思い出し、当時蔡奇会長と友好協会のメンバーが「2022年に北京で会いましょう」と約束したことを振り返った。今は感染症のために人々が行き来し、現場で選手を声援することはできないが、それでもテレビで北京冬季五輪の成功を見て、ますます興奮と高ぶりを覚えたという。
92歳の高齢の井出とよ子さんの文章は「日中国交50年、関係を良好に」と題したもので、彼女は、日本の中国侵略戦争後に両国が和解を実現したことは、当時の両国の指導者の努力と不可分のものだと語っている。日本では小学校に上がると、教師は歴史上の遣唐使の友好の旅について熱っぽく語り、日本文化の発展は中国から来たのだと教える。中国文化は日本の一部になるほど深く浸透しており、中国と日本の絆は切っても切れない関係にある。今年は日中国交正常化50周年に当たり、両国関係が再び友好を取り戻す絶好の機会になるよう願う。
国と国との関係は人々が互いに親しむことであり、人々が互いに親しむとは心が通じ合うことだ。2年前、新型コロナウイルス感染症の発生当初は、中日は互いに助け合い、多くの美談も生まれ、中日関係の前向きな変化を見て、友情に満ちた心情を感じることができた。昨今では、両国間の友愛は薄れ、情けも薄れ、きな臭い匂いさえ漂って、長年中日関係に愛着を持ってきた松原さんや井出さんのような人々に打撃を与え、つらい思いを感じさせてもいる。彼女たちは既に高齢とはいえ、こうした局面の中でも依然として自分の力のおよぶ限り中日関係好転のために走り回り、叫んでいる姿は尊敬に値し、称賛に値する。