日本の安倍晋三元首相は27日、ロシアとウクライナの情勢を鑑み、日本国内で米国との「核共有」について検討すべきと述べた。安倍氏は、日本は「核不拡散条約」の締約国であり、かつ「非核三原則」を掲げているが、「この問題の議論をタブー視できない」と述べた。婉曲的な表現ではあるが、核兵器を求める方向に邁進しようとする安倍氏の意図は非常にはっきりしている。環球時報が伝えた。
安倍氏のこの発言は即興で口を滑らせたわけではない。日本の右翼政治家がこのような発想を抱いているのは、昨日今日のことではない。この世界で唯一原爆を投下された国において、当時原爆を投下した国に自国に核兵器を配備してもらおうと呼びかける人々がいるとは、皮肉であるばかりか大きな現実的リスクでもある。日本の右翼政治家の核兵器に対する憧れと渇望は世界のどの国よりも熱狂的で、今や歪んだ変態心理に変化している。敗戦国の恥辱と復讐の願望は常に押さえつけられてきたが、終始彼らの血液中に潜伏しており、常に束縛からの解放を渇望している。
日本の核兵器製造能力の保有はもはや公になっている秘密だ。日本は高度に工業化した国であり、世界トップの大型コンピュータシステムを持ち、核実験をシミュレートする能力を持つ。バイデン米副大統領(当時)は2016年に、「日本は事実上、一夜にして核兵器を保有する能力を持っている」と述べた。また米国の核専門家は、「核弾頭製造までほんのあと一歩」と述べた。
日本の右翼の狂気じみた追求が国の能力と結びつけば、壊滅的な結果を招く。これは日本の国の性質の全面的な変化を意味する。その軍事能力の規制解除後、軍国主義が80年弱閉じ込められてきた檻を破り、核テロリズムが東アジアで生じる恐れがある。そうなればアジアの核のバランスが完全に崩壊し、地政学的局面が重大な変化に直面する。その影響から逃れられるアジア太平洋諸国はない。
これは世界の核不拡散体制における重大な抜け穴だ。それが今まで塞がれなかったのは、米政府の放任、さらには庇い立てのためだ。米国は日本の右翼の動向を知らないわけではないが、日本を東アジアで中国に対抗するための最も重要な手がかりとしているため、日本を利用し中国をけん制することが徐々に米政府の優先的な選択肢になった。これを受け日本の右翼政治家は隙を目にし、すべての付け入る隙を利用し、彼らを80年弱縛ってきた戦略的な縄をほどこうと試みている。核保有は彼らの「解放」の最終目標だろう。本当にそうなれば、日本の核弾頭が向けられるのは中国などの東アジア諸国であり、米国もしくはその他のすべての国かもしれない。
そこで安倍氏の発言は絶対に、「個人的な発言」として簡単に見逃されるべきではなく、国際社会において人々から唾棄されるべきだ。これは国際レジーム及び安全構造を守る是非の問題であり、少しのあいまいさも許されない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月28日