日本の「アジア記者クラブ(APC)」の森広泰平事務局長はこのほど、メディアの在り方に関するオンライン講演会で、いわゆる「新疆ウイグル自治区だけに少数民族抑圧が存在する」などという情報操作キャンペーンは「米国の対中ハイブリッド戦争の一環だ」と指摘し、「印象操作で流された情報の鵜呑みには警戒せよ」と呼びかけました。
森広氏は、トランプ政権発足後に新疆に関する情報量が急速に増え、米政府がリークする情報を米国メディアが大々的に流し、それを日本のメディアが転電して拡散するという現象が起きたと指摘しました。そのうえで、大なり小なり少数民族問題を抱える国が多いにもかかわらず、ウイグル族だけを取り上げる姿勢にも疑問を呈しました。
また、「ジェノサイド」説や「強制労働」説の情報源については、米国中央情報局(CIA)のフロント機関である全米民主主義基金(NED)が出資する「世界ウイグル会議」(本部はミュンヘン)が発信した情報を元に、ドイツにいるキリスト教原理主義者のエイドリアン・ゼンツ氏やオーストラリア戦略政策研究所などが作成した報告書に記載されていますが、確証を得ているわけではなく、「あくまで臆測、伝聞、推測の印象操作に過ぎない」記述をメディアが事実として伝えていたと指摘しました。
さらに森広氏は、米国は軍事、政治、経済、サイバー空間、人権など様々な分野で問題を起こして、マスメディアを通じて中国に圧力を加えていく「対中ハイブリッド戦争」の真っ最中にあり、新疆は「一帯一路」の要地に位置し、ウイグル族は新疆の少数民族の中で最大の人口を有することから、最大の標的にされたとも分析しています。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月3日