日本の安倍晋三元首相の葬儀が12日午後、東京で営まれた。追悼と同時に、日本各界のこの強い政治家への評価が複雑化している。当日の葬儀は国葬ではなく家族葬だった。「安倍氏のため国葬を営むべきか」が論議を呼んでいる。
12日付「朝日新聞」によると、自民党内の最大派閥「安倍派」会長代理の下村博文氏は安倍氏の国葬を求め、かつ岸田文雄首相が安倍氏が亡くなった後に安倍派を軽視すれば、党内の保守層からの支持を失う可能性があると警告した。
しかし日本の多くのネットユーザーは、安倍氏が生前に多くの未解決の政治スキャンダルを残したため、そのような政治家の国葬は不適切としている。
世界は安倍氏を客観的に評価
香港のウェブサイト「亞洲時報在線」は12日に掲載した記事の中で、「政治家が亡くなった場合、特に悲惨な状況により若く亡くなった場合、その追悼は往々にして過度になる。しかし歴史を書き換えることはできない。実際に日本には血生臭く残酷な帝国の歴史がある。安倍氏のレガシーが冷静に評価される日はいつか来る。その最も大きな貢献は、平和主義の日本を軽率に軍国主義の過去に戻したことになるかもしれない。これがアジアの政治、日本の中長期的な政治・経済においてどのような影響を発揮するかは、懸念される問題として残った」と伝えた。
ブルームバーグは11日、「安倍氏の最大のレガシーはアベノミクスではなく、日本の軍事力だ。安倍氏は米日印豪クアッドの創設者でもある」と伝えた。クアッドは「アジア版NATO」とされ、反中の傾向が強い。
清華大学国際関係学科の劉江永教授は12日、「環球時報」の取材に応じた際に、「日本の現代の内閣制度が形成されてから在任期間が最も長かった首相である安倍氏は、在任期間に中日関係に貢献したが傷もつけた。全体的に見ると、安倍政権後期の中日関係への悪影響が依然として存在しており、さらにはその後任の対中政策及び中日関係の健全な発展に影響を及ぼしている」と述べ、次のように続けた。
第二次安倍内閣の7年8カ月に渡る政権運営において、安倍氏は成熟した内外政策を形成した。国内では憲法改正を目指し、国外ではいわゆる「自由で開かれたインド太平洋」を推進した。これらは実際には相互に関連している。日本は中国と協力・ウィンウィンの道を歩もうとしているのではない。中日関係の中心的な問題は完全に解決されておらず、機能的な協力はその他の要素からの影響を受けやすく、安定装置としての効果を発揮しない。例えば2018年にトランプ政権が中国に強硬な措置を講じると、中米関係が悪化した。それに伴い安倍氏とその後任の中国への態度も変化し、かつ中米の対立から漁夫の利を得ようとし始めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2022年7月13日