日本の民間機関が行った最新の調査によると、値上げ予定商品が1万8000品目を超えている。別の報道によると、大規模な値上げは9月にようやく幕開けを迎えるという。昨年下半期より、国際市場のエネルギー・資源類商品の価格が続騰し、日本の輸入品の物価が急騰し、消費者物価指数が急上昇している。
メディアと専門家は、日本が国内で直面しているのは輸入インフレであり、輸入品の価格急騰がその根源にあると見ている。米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅追加利上げによる急激な円安がさらに価格上昇を促しているが、これは日本国内の物価上昇率が急激に上がった重要な原因とされている。ブルームバーグは、米国は利上げにより世界にインフレを輸出したと指摘した。
日本のコアCPI(消費者物価指数)は今年7月まで11カ月連続で上昇している(前年同月比)。日本の市民の多くは新華社の街頭インタビューで、食品の値上げが最も顕著で、外食する頻度が下がり、自炊を増やすしかなくなったと不満を漏らした。
エネルギー価格の急騰は、各業界の値上げの最も大きな原因だ。総務省の統計報告によると、日本の電気料金は今年7月に前年同月比19.6%上昇、天然ガスは18.8%上昇、灯油などは19.6%上昇となった。同月の食品の値上げも従来より顕著で、輸入牛肉及び食パンの値上げ幅が12%を上回った。
FRBは今年に入り金融引き締めを急いでいる。日銀は国内の需要の疲弊、経済回復の原動力の不足という現実を受け、超量的緩和策の維持を余儀なくされている。日米の中央銀行による金融政策の差によって、円安が急激に進行している。ドル円相場は今月2日、年初の1ドル=115円から140円に下がり、24年ぶりの円安となった。円は年内にすでに20%を超える円安になっている。日本の民間では円安への不満が高まっている。
大幅な円安は、国際商品価格の急騰の日本経済への影響をさらに拡大した。日銀が発表したデータによると、輸入品の価格の続騰により、日本の企業物価指数が17カ月連続で上昇している(前年同月比)。7月の企業物価指数は統計開始以来の最高水準を記録し、統計対象の500品目超の商品のうち8割以上が上昇した。同月の企業輸入物価は円建てで前年同月比48%の上昇だった。
東京の青果店の店主によると、店内の多くの商品が輸入品だが、円安により価格が上がったという。以前は100円で買えたものが現在は140円もし、非常に苦しいという。
一般消費者だけでなく、価格決定権が低く、価格転嫁が困難な中小企業も同じく、円安により苦境に陥っている。民間信用調査機関の東京商工会議所がこのほど発表した報告書によると、8月の調査では半数弱の企業が、調達価格が高止まりしており川下に価格を転嫁できないと回答した。同月の円安関連の破産は5社。
物価の持続的な上昇により、回復の原動力の乏しい日本経済がより複雑な苦境に陥っている。日銀の黒田東彦総裁は、コストプッシュインフレは日銀が期待しているディマンドプルインフレとは異なり、消費を刺激できないばかりかむしろ消費の需要を抑制し、日本経済の回復に不利であると指摘した。
日本にはほぼ為す術がない。日銀は7月、本年度の物価上昇の予想値を上方修正し、超量的緩和策を維持すると再び表明した。専門家は、日銀はインフレ抑制と経済回復のジレンマに陥ったと見ている。
内閣府経済財政諮問会議の民間議員、BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部副会長の中空麻奈氏は、FRBの大幅な利上げが世界経済に過度な悪影響を及ぼしていると指摘した、国際通貨基金は7月に、今年の世界経済成長予想値を大幅に下方修正した。この措置は事実上、スタグフレーションが生じることを認めた。
専門家は、FRBの持続的な利上げに伴い、年内にさらに円安が進行し、日本の物価上昇の圧力も持続的に拡大する可能性があるとした。FRBの利上げが止まらなければ、米国が世界にインフレを転嫁する警報を解除できない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年9月7日