「今回の海外出張で、当社は新市場・新製品について少ない投資で短期間に多くの収益が上がるというブレークスルーを達成し、今後は安定した製品ラインに発展することが可能だろう」。このほど韓国訪問貿易促進団に参加した青島品斯潔家紡有限公司の慕宇潔会長は、高揚した面持ちで訪問を振り返った。人民網が伝えた。
少し前、山東省商務庁は複数回にわたり企業を組織して海外に送り出し、「山東の貿易促進団を海外での商談に派遣する」活動を行った。12月の17日、18日、19日に、韓国訪問団と日本訪問団がそれぞれ青島、済南から出発した。それから10数日がたった今、このたびの海外出張の成果を見てみよう。
韓国での契約額1.2億ドル
慕氏は今回の成果について、「このたび韓国で訪問したのは、初めて会う顧客で、訪問の主な目的は当社のグラフェン材料をPRすることだった。『百聞は一見にしかず』というもので、私たちが会った顧客から『ちょうどこういう製品を探していた』と言われた。そこで顧客の要求を踏まえ、技術的問題を迅速に解決して、サンプルも用意した。サンプルはすでに青島にある当社から発送されており、来週には顧客の手元に届いてテストが行なわれ、うまくいけば受注となる」と嬉しそうに語った。
今回の韓国訪問貿易促進団を引率した同庁西アジア・アフリカ処の周向軍副処長は、「このたびの韓国訪問は、多くの企業にとって3年ぶりにやっと実現したもので、各社ともこの機会を非常に重要なものととらえ、商談やマッチングを積極的に行ない、大きな成果を上げた。今回韓国を訪問した企業は20社で、そのうち14社が商談の成果があったとフィードバックし、引き続き韓国で商談を進めている企業も一部ある」と述べた。
大まかな統計によると、12月28日現在、韓国訪問団が調印した契約は15件、契約金額は1億2千万ドル(1ドルは約132.7円)、意向契約合意は21件、合意額は2億6900万ドルとなっている。調印された契約のうち金額の大きなものには、山東国立経済技術協力有限公司が韓国明祉農産株式会社との間で調印した総額6500万ドルに上る「トウモロコシ加工の副産物」に関する輸出契約や、韓国中華料理協会との間で調印した総額4千万ドルのタマネギ・キャベツ・ニンジン・菜種油・ひまわり油の輸出契約、日商市日晋化工有限公司とSKエナジーとの間で調印した600万ドルの硫黄輸出契約がある。
周氏は、「オンラインで100回話すより、オフラインで1回顔を合わせた方がいい。これは全ての企業が肌身に感じたことだ。今回の海外出張で、顧客との関係が深まり、対面での商談は企業の期待に応えるものとなった。28日までに、各社が訪問した顧客は70社を超え、古くからの顧客が多数を占めたが、昔からの顧客を通じて新しい顧客とも知り合うことができた。対面での交流によって、気持ちが深まり、関係が強まり、協力が推進された」と述べた。
韓国企業の対面での交流に対する期待がより高かった。韓国農業協同組合の責任者は、「今回は3年ぶりに受け入れた中国からの訪問団の第一弾だった。昔からの友人が韓国に来てくれたことに感激した」と話した。
日本訪問団も大きな成果
日本訪問貿易促進団を引率した同庁アジア処の馬俊処長は、「今回日本を訪問した企業は全部で16社あり、そのうち9社はすでに日程を終えて帰国し、7社はまだ日本にいる。現時点で、今回の訪問を通じて日本の顧客40社との間で受注契約の調印や協力意向の形成が行なわれ、調印された新規契約は20件、契約金額は2627万5千ドル、達成した協力意向は24件、意向成約額は2億6300万ドルとなった。そのうち山東美佳集団有限公司はシーフードや野菜などの調達契約5件を新たに締結した。契約金額が2100万ドルに達したほか、協力意向は5件となり、意向成約額は2億5500万ドルに達した。山東斌諾機械設備有限公司が日本に支社を設立することも決定した」と述べた。
政府の「ワンストップ式」サービスが企業をサポート
馬氏は、「今回の訪問で私たちは企業のために『ワンストップ式』サービスを提供することに全力を注いだ。当庁は訪問団に参加した企業に向けてプロジェクト誘致、受注意向の調印、新型コロナウイルス感染症対策など各方面で全面的なサポートを提供した。日本での活動期間中は、企業のマッチング協力商談会の6回の開催に協力し、供給販売の有効なマッチング情報27件を提供し、企業がよりターゲットを絞って専門的かつ効率的に受注を獲得し、輸出を安定的に拡大するようサポートした。企業の意向成約額と新たに交流できた企業数はいずれも予想を上回った」と振り返った。
12月19日、日本訪問団は日本国際貿易促進協会を訪問して、笠井爚雄理事長と会談し、山東省がここ数年で世界トップレベルのビジネス環境を創出し、ハイレベルの対外開放を推進している状況などを詳しく説明した。同日には日本能率協会も訪問して中村正己会長と会談し、山東省の経済・社会の発展状況を説明した。双方の協議を経て、同協会が来年に製造業の産業訪問団を結成して山東を訪問し、貿易投資のマッチングを行なうことが決まった。
12月20日、日本訪問団は住友商事株式会社を訪問し、山東の新エネルギー産業の発展状況を説明した。双方は水素エネルギー産業、低炭素・環境保護、汚水処理などのプロジェクトでの協力についてマッチングと商談を展開し、プロジェクトの実施を加速し、交流協力を強化することで共通認識に達した。同日には日本アジア共同体文化協力機構も初めて訪問。同機構は2023年4月に青島で日本カーニバルイベントを開催し、山東と日本の文化交流協力を強化するとしており、特に若い世代が理解を深め、相互の信頼を構築し、友情を強め、山東・日本の交流分野をさらに広げることを期待するとした。
馬氏は、「対外貿易の状況は厳しく、企業の受注は年々減少し、企業の海外進出にさまざまな懸念が寄せられる状況の中、山東省政府当局は先頭に立って、企業の海外訪問の後ろ盾となり、『訪問団を組織し海外に送り出して貿易を促進し、市場を守り抜くために全力で取り組む』という固い決意を明らかにし、より積極的なシグナルを企業に向けて発信した」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年12月31日