日本の岸田文雄首相は1月9日から14日にかけて、主要7ヶ国(G7)のうちフランス、イタリア、英国、カナダ、米国の5ヶ国を歴訪し、各国の首脳と会談した。日本は2023年のG7輪番議長国で、今年5月に広島でG7サミットを開催する予定となっている。分析によると、日本首相の今回の欧米5ヶ国歴訪は、G7メンバー国の協力強化を促進するだけでなく、ウクライナ危機や食糧問題、核軍縮、気候変動など多くの議題においてより大きな主導的役割を果たそうとの狙いがあったと見られている。人民日報海外版が伝えた。
中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院の李成日博士は、岸田首相の今回の歴訪には主に以下の4つの目的があるとの見方を示す。(1)今年5月に広島で開催予定のG7サミットに向けて雰囲気を醸成し、関係国間の関係を調整する。(2)ウクライナ危機をめぐって、G7の団結を呼びかけるとともに強く促し、共同でロシアに対応する。(3)米国のワシントンを初訪問し、日米首脳会談を行い、両国のインド太平洋地域での協力をさらに深め、中国とロシアを抑制する。(4)岸田内閣の日本国内での支持率は数ヶ月にわたって低迷を続けており、日本国内世論と経済不況などの状況を踏まえ、外交活動によって現在の苦境を乗り切ることを狙う。
李博士は「現在の国際情勢は変動していて不安定であり、複雑な要素が絡み合っている。このような状況においては、協力を堅持し、対立せず、互恵・ウィンウィンを堅持し、ゼロサムゲームを行わないことこそが各国間の正しい付き合いの道だ」と指摘。さらに、「日本が自身の政治的・経済的影響力を拡大するために、米国に追随し、『冷戦思考』に固執し、『小集団』を作り、徒党を組んで結託し、地域の『陣営化』の趨勢を激化させれば、地域の衝突リスクを高めることにしかならない。これは地域協力プロセスを妨害するだけでなく、必然的に日本自身の安全と利益も損なうことになる。従って、日本は冷戦思考を捨て、地域の大局から出発して、地域協力プロセスという正しい道へと戻るべきだ」との見方を示した。(編集AK)
「人民網日本語版」2023年1月16日