「NATOのアジア太平洋化」も「アジア太平洋のNATO化」も、現在の世界における重大リスクを露呈している。これはつまり、西側集団がすでに大国の競争と陣営の対抗をグローバルガバナンスの基調とし、安全問題とイデオロギーの問題を過度に取り上げた政治的操作により、世界で「新冷戦」の展開を急いでいることだ。アジア太平洋は重点的な投入方向になっている。NATOの地域の安全問題への「越境」介入は、すでに複雑で敏感な地政学的対立のさらなる激化を刺激し、地域の安全問題を負のスパイラルに陥れ、軍事対抗さらには衝突のリスクを拡大しうる。
日韓は本来、アジア太平洋の平和と安定、及び地域一体化の受益者だ。ところが国内の保守政治が主導するポピュリズムの狂騒において、その戦略的な視野はますます頑なで短見的になっている。特に対外政策の「遠交近攻」という方向性が際立ち、アジア太平洋の平和と安定の破壊者に変わりつつある。日韓の為政者は隣人を敵としても国がより安全にならず、周辺の外交及び安全の苦境をさらに厳しいものにするだけであることを理解すべきだ。(筆者・項昊宇 中国国際問題研究院アジア太平洋研究所客員研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月29日